「叱らない育児」が推奨される中、頭では分かっていても、ついカッとなり感情的な爆発を起こしてしまうママは少なくありません。

しかしこの「感情的な爆発」は、これまで築いてきた親子の絆を一気にぶち壊してしまいます。それだけでは終わらず、子どもの心に深刻な傷を残す可能性もあると言われているのです。

そうならないためには、親がしっかり意識をすることが重要ですが、分かっていてもすぐに爆発させてしまい、悪循環の状況からなかなか抜け出せないママもいます。

そこで今回は、親野 智可等著『「叱らない」しつけ 子どもがグングン成長する親になる本』を参考に、感情的爆発を起こさないための「勘違いしやすいしつけ」についてと、「短所には目をつぶり、長所を伸ばして子どもを引きあげるための考え方」についてお伝えします。

「叱る」は「親の都合」であることが多い!?勘違いしやすい「しつけ」とは?

いけないことをした時やきちんとしない時などは子どもを叱ったりしますが、その叱りがしつけだと思っている人は多いものです。しかしその叱りが本当に必要かどうかを考えたことがあるでしょうか。

例えば子どもがモタモタと支度をしている姿を見ると「早くしなさい!」と言って叱りたくなりますが、実は叱っている原因が親の都合によって「時間がない時だけ」だったりします。

時間に余裕がある時はいくら子どもがモタモタしていても、叱らないんだとしたら、それは単なる親の都合。親の都合で叱っている「叱り」は決して「しつけ」ではないと、親野さんは言います。

今一度思い返してみてください。ママ自身にストレスが溜まっていたり、体調が悪かったり、心に余裕がない時に子どもを叱っていることが多くないでしょうか。

もしそうだとしたらそれはしつけによる「叱り」ではないことを意識すると、親子にとってマイナスにしかならない「叱り」は減るようです。

感情的爆発を起こして子どもを叱り続けると、子どもはどうなる?

「叱り」を減らすためにもう1つ親として意識すると良いことがあると親野さんは言います。それは感情的爆発を起こして子どもを叱り続けると子どもはどうなってしまうのか、ということ。

例えばこれまで親子の絆を深めようと、コミュニケーションやスキンシップに心掛け子どもと接してきたとしても、その絆は一気に壊れてしまい、そればかりか、子どもの心の中に「親への愛情の疑い」や「自分の存在意義の疑い」をも生じさせてしまい、心に深い傷を残すことにつながる可能性があると親野さんは言います。

つまり親の感情的な爆発が、子どもの生涯に渡りトラウマとなって残ってしまうこともあり得るということです。

家事に育児に仕事に追われる多忙なママがストレスを溜めていないはずはありませんが、自分の感情的な爆発が、可愛い我が子の将来を左右させてしまうかもしれないことを少し意識すれば、日々の「叱り」も減るのではないでしょうか。