オスカー受賞のスペシャリストが日本の若者にエール

2015.6.9 10:28配信
“SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015”に来場したイアン・ハンター

現在、開催中の映画祭“SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015”で、2015年のアカデミー賞で視覚効果賞を受賞したイアン・ハンターがセミナーを行い、イベント後にインタビューに応じた。

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ハンターは、視覚効果のスペシャリストで、ニューディール・スタジオの共同設立者でもある才人だ。古くは『ブレード・ランナー』や『バットマン・リターンズ』などの傑作を手がけ、近年は『インセプション』や『インターステラー』などクリストファー・ノーラン監督の作品でも視覚効果のスーパーバイザーを務めている。

「かつて私のスタジオにいたスタッフが現在、この映画祭のスタッフをしていたという縁もあり、日本の若い監督を応援したいという気持ちと、ショートフィルムという手法を使ってクリエイティビティを発揮している人たちを応援したいという気持ちがあって来日しました」というハンターは、7日に原宿の映画祭会場で約2時間に渡ってセミナーを開催。自身が手がけてきた映像を交えて、視覚効果の制作過程やコンセプト、想いを語った。

近年、デジタル技術の進化によって予算のない作品でも視覚効果を用いることができるようになったが、ハンターは「それはとてもいいことだと私は思っています」と語る。「入門のハードルが低くなり、アニメーションや私たちが手がけているようなミニチュアも、チャンスさえあれば多くの人ができるようになっています。それは若い監督にとって素晴らしいことですし、視覚効果へのアクセスがしやすくなることで映像のクオリティもあがると思っています」

一方でハンターは、自身が手がけるミニチュアや視覚効果は単に“ビジュアル”を担う仕事ではなく“ストーリーテリング”の仕事だと訴える。「たとえば『インターステラー』ではCGではなく、ロボットを実際に俳優の前において撮影することで、リアリティを築き上げ、俳優の演技や意識を変えることができました。私にとってVFXは“実現の方法”を探すことではなく、映画のストーリーテリングにどれだけ沿うことができるかという仕事になってきています。その点でVFXは“物語”や“演技”に関する仕事だといえるでしょう。ノーラン作品では、“いかにVFXがストーリーテリングの一部になることができるのか?”を楽しんで追求することができました」。

本映画祭では様々な国や地域のショートフィルムが上映され、今後、長編映画を手がけたいと考えている“未来の巨匠監督”の作品も多く上映されている。「ショートフィルムの短い時間の中で物語を語ることは非常に難しい。監督によってはショートフィルムを自身が撮りたい長編の“デモ映像”だと考えている人もいますが、私は短い時間の中で物語をしっかりと語っている作品の方が魅力的だと思いますし、その難題をクリアできている監督が将来有望だと思います」。

SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015
6月14日(日)まで開催中

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