左から貫地谷しほり、松山ケンイチ、瑛太、村川絵梨

鉄道オタクの青春と淡い恋模様を描いた『僕達急行 A列車で行こう』の公開を記念し、京急線で“僕達急行ラッピング電車”が運行されることになった。3月3日に、神奈川・久里浜の京急ファインテックで出発式が行われ、本作で初共演を果たした松山ケンイチと瑛太、ヒロイン役の貫地谷しほり、村川絵梨が出席。早速“ボクキュー”一色に染まったラッピング電車に乗り込んだ。

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昨年12月に急逝した森田芳光監督のラストメッセージが、文字通りの“出発進行”だ。車体にはタイトルロゴと、“鉄ちゃん”ルックの松ケン&瑛太がフィーチャーされ、車内も中吊り広告など、すべて劇中写真で埋め尽くされた。「懐かしい写真がたくさん。いろんなことを思い出しますね」(松山)、「こんなに自分たちの写真が(車内に)載るのは経験がない。本当に貴重な機会」(瑛太)と感激もひとしお。貫地谷は「シートが可愛くて、座席が進行方向に向いているのもワクワクしますね」。村川も「ここまで映画一色なのもすごい。乗客として乗りたいです」と大喜びだった。

本作は、松山と瑛太が、鉄道オタクに扮し、熱っぽく趣味を共有することで、自分たちと周りを幸せにしていくハートウォーミングな青春コメディ。森田監督が10数年の構想を経て、シナリオを執筆。劇中には20路線80型式の車種が登場し、生前「これほど多くの電車が登場するのは、日本映画史上初だと思う」と豪語したほどだ。

森田監督との思い出を聞かれた松山は「3作品でお仕事させていただき、どの現場も楽しい経験だった。監督自身、とても多趣味な方で、好きなことがたくさんあると、それだけ豊かに生きられると教えてもらった」としみじみ。瑛太は初めて森田監督とタッグを組み「映画、そして人が大好きな監督だった。僕自身、今回の役を演じながら、ずっとさわやかな気持ちでいられた」と振り返っていた。

“僕達急行ラッピング電車”は3月4日より4月下旬まで、京急線三崎口駅から泉岳寺駅間を1日3往復程度運行する予定だ。

『僕達急行 A列車で行こう』

取材・文・写真:内田 涼