あれ? この気持ち…恋?

刀装具はキレイだと分かった。しかし刀は分からないな。
ずっと思っていたその気持ちが崩れるのは、刀屋デビュー&電撃入社から半年ほど経ったある日のことだった。

「この刀イイ…!」
入荷した刀を見て、なんとなく考える自分に気付く。
知らぬ間に刀に対して好みのタイプが出来ていたのだ。
そういった気持ちで見始めると、どんどんこれがイイ!というのが出てくる。
長さ、厚み、身幅の広さ、帽子(先っちょの部分)が大きい小さい、反り(刀の曲線)が大きい小さい、刀身に彫りものがしてあるかどうか…。
今では刀好きの門下生とまるで恋バナをするようにタイプの刀について語り合うようになってしまった。
気付いたときには重症だ。
キャッキャ言いながら刀のカタログを見ている様は、
中学のころ教室で芸能雑誌を読んでいたクラスの女子を思い出させる。相手、刀だけど。

知れば知るほど刀がいかに丁寧に精密に作られていているかがわかる。
そしてそれだけ魂を込めて作られたものが、美しくないはずがない。

わたしはどんどん刀に惹かれていく。

刀シンデレラストーリー

今年になって、博物館に列をなして並ぶ女の子の写真をよく見るようになった。
日本刀を擬人化した女子向けネットゲームが大流行したらしく、うら若き女子がキャッキャと言っている。
本屋に行けば目立つところに日本刀の本。
時代が来た…!!!
これまで平安後期に今の刀としてのスタイルが確約され、昭和に至るまでずっと生活のそばにあった日本刀。
戦後、美術品としてなってからは生活とは切り離され、高価な嗜好品と親しみにくい存在になってしまった。
わたしが日本刀の店があることを知らなかったように、
若者は日本刀の店なんて知らない。
それが今じゃ刀のために女の子が奔走しているじゃないか…!
どんどん高齢化していく刀業界、今がチャンスだ。
わたしが知らぬ間に恋に落ちていたように、少しでも刀について興味が出てきた人をもっと深い沼に埋めたい。
そんな気持ちで始まったのがこちらのイベントです。

「ほんまもんの刀屋で学ぶ!刀剣おさわり会」開催

本物の日本刀を傍に見ながら、刀の基礎知識を学べるという刀屋ならではのイベント!

 なんと自分たちの手で触ったり、一緒に写真を撮ったりすることもできる。
藁を斬る試し斬りもできて、刀の凄さを余すことなく堪能!
若い女子でも参加できるように出血大サービスのお値段、日本刀におさわりするなら今だ!!

<開催日時>
6月13日、21日(予約完売済み)
今後、土日祝の不定期開催予定
<内容>90分
1.座学
2.刀おさわりタイム
3.試斬
【金額】3,000円(税込)  定員:10名

<申し込み・お問い合わせ> 「ほんまもんの刀屋さんで学ぶ!刀剣おさわり会」

 ひょんなことから刀屋で働くことになった20代女子。刀や刀マニアに囲まれる生活の中で自分がゼロからメロメロになっていったように、若者に日本刀の素晴らしさを広めるのが目標。Twitterで日本刀についての質問受付中!