興梠慎三(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 興梠慎三(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

6月20日(土)、優勝に王手をかけた浦和レッズがノエビアスタジアム神戸へ乗り込む。『明治安田生命J1リーグ』1stステージ第16節でヴィッセル神戸と対峙するのだ。

神戸に勝つか引き分ければ、浦和の1stステージVが決定する。もし敗れても、暫定2位のガンバ大阪が7位・べカルタ仙台に勝たない限り、優勝が転がり込む。浦和は11勝4分・勝点37、J1開幕15試合無敗の記録を更新中である。対する神戸は4勝5分6敗・勝点17の暫定12位。直近5試合も1勝1分3敗と波に乗り切れていない。

だからと言って、「神戸で浦和が歓喜の瞬間を迎える!」と決め付けるのは早計だ。通算の対戦成績では浦和が15勝4分11敗とリードするが、過去5シーズンを振り返ると神戸が6勝1分1敗と圧倒する。しかも、ノエスタでのリーグ戦に限ると、神戸が5連勝中である。

神戸はCB・ブエノが戦線復帰してから3試合で1失点と堅守を取り戻しつつある。J1通算150ゴールのマルキーニョスも前節にピッチへ戻ってきた。昨季マルキーニョスに次ぐ13ゴールを挙げたFWペトロ・ジュニオールも、復帰3試合を経て持ち前の爆発的なスピードを発揮している。G大阪との前節では、智将・ネルシーニョ監督が5バック気味のシステムを敷き、堅守速攻を徹底した。

浦和サポーターにはトラウマもある。浦和は2年連続でシーズン終盤に大失速し、覇権を取り逃した。リーグ優勝とステージ優勝では重みが異なるが、「もしや……」と懐疑な気持ちを捨て切れないサポーターも決して少なくないだろう。

ただ、今季の浦和は昨季までとは違う。第11節では3連敗中だったユアテックスタジアムで仙台相手にド派手な打ち合いを演じ4-4のドローに持ち込んだ。第14節は1分2敗のベストアメニティスタジアムで鳥栖を向こうに回し6-1と今までのうっぷんを晴らした。鬼門と言われたスタジアムで結果を残してきたのだ。

前節は日程の不利を跳ね返した。未消化だった第10節から中3日で試合に臨んだ浦和に対し、17位・清水は中7日のアドバンテージがあった。CB・森脇良太を負傷で欠き、ボランチ・柏木陽介や左サイド・宇賀神友弥も疲労が溜まりギリギリの状況だったが、FW・興梠慎三が落ち着きと技術を結集した決勝ゴールを守り切った。チームも第9節以来となる完封を果たした。

試合後、ペトロヴィッチ監督は「いい内容ながら勝てなかった昨年の経験を生かしている。今日はいい内容ではなかったが、その中で勝ち切った。今季は負けなしでここまで来ている。我々は強いチームである証だと思う」と胸を張ったのだった。

6月20日(土)・ノエスタで浦和が1stステージVを決めるのか、相性の良さを証明し神戸が待ったをかけるのか。チケット発売中。