『グローリー/明日への行進』 (C)2014 Pathe Productions Limited.All rights reserved.

アメリカの公民権運動の指導者として活動したマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師の実話を描いた映画『グローリー/明日への行進』が本日から公開されている。本作は1965年が舞台だが、制作者たちはこの物語を現代の観客に向けて語りたいという強い意志をもっている。彼らが語る特別映像が公開になった。

特別映像

本作は、黒人の正当な権利を獲得するために立ち上がったマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師と仲間たち、支持者たちが、それぞれの立場や苦労を乗り越えて、アラバマ州セルマから州都モンゴメリーまでの80キロに及ぶ抗議の大行進を成し遂げる様を描いた作品。

このほど公開された映像は、キング牧師と支持者たちが行進する場面とエヴァ・デュヴァネイ監督の「世界共通でとても現代的な今を描いた作品」という言葉から始まる。確かに本作は60年代の公民権運動の実話を基にした作品だが、現代の社会で、すべての人に正当な権利が与えられているだろうか? 不当な扱いはこの世から消えただろうか? プロデューサーを務めたオプラ・ウィンフリーは「過去を知らなければ、未来は見通せない」と言い、キング牧師の妻コレッタを演じたカーメン・イジョゴは「公民権運動は終わっていない」と語る。

本作はかつてアメリカで行った出来事を描いた作品だが、自分たちが不当に扱われていることに抗議し、外部だけでなく自身の中にある恐怖にも立ち向かって、正当な権利を得ようとする人々の姿は現代にも通ずるものがある。映像に登場するキャスト、スタッフたちはみな、言葉は違うが、本作に“現代の観客に伝えるべきメッセージがある”ことを訴える。かつてアメリカで世界を変えようと立ち上がった人々の強い意志と、何としてもこの映画を作り上げたいと思ったフィルムメイカーの意志は、日本の観客にもスクリーンを通じて伝わるのではないだろうか。

『グローリー/明日への行進』
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