■流れを作る1区・2区


―流れを作る1区をどう予想しますか?
M:すごくハイペースで進むか、けん制しあってスローペースになるかでしょうね。

西田:そのどちらしかないよ(笑)

萩原:今回は混戦が予想されるから、けん制しあってスローペースになって、ラストスパート勝負になる気がしますね。なので、ラストスパートに強い選手を配置できるチームが1区で抜け出る可能性は高いですよね。16kmくらいで飛び出して差をつけられればって思っている大学は多いような気がします。

M:エース級を1区に配置して、スローペースになったらもったいないという思いもあるでしょうけど、それでもやっぱり1区にはエース級を配置するしかないですよね。

西田:1区は「慣れ」があるかどうかって重要かな。全日本で1区を試して、良かったら箱根でも使うって流れはあるよね。朝のスタート時間も箱根駅伝と近いからそのシュミレーションもできるしね。

―1区の過ごし方は
M:西田さんは1区の経験ありますけど、早朝に強かったんですか?

西田:強かったよ。スタート前にちょっと仮眠したし(笑)

萩原:スタート前に寝ちゃダメって言われているのに。

M:箱根駅伝の1区の選手ってだいたい5時間前に起きるから朝の2時か3時ですよね。

西田:そう、僕の場合は3時に起きて、少し散歩して朝食摂って、ちょっとのんびりして、スタート地点に6時くらいに着いて、仮眠して(笑)

萩原:走る前に仮眠するって聞いたことない。

西田:当時は15分くらい仮眠するといいって言われてた。あと、何日か前から起きる時間を少しずつ早くして早起きに慣れさせるっていう選手もいるみたいだけど、そんなことしたら疲れちゃうから僕は当日だけ早起き。前々日の睡眠がしっかりとれていれば、前日寝られなくても大丈夫。もし、前々日に寝られなかったら、前日は寝られるってことだから。

萩原:寝られないほど緊張する選手も絶対いるから、西田さんのスタンスは参考になりますね。

―箱根駅伝前日の過ごし方
M:駒大は寮から移動しますね。

萩原:神大も寮からですね。

西田:大手町に近いところは寮からじゃないかな。さすがに山梨学院大学とか上武大学とか遠い大学は前泊すると思うけど。

萩原:前泊するとなると環境も変わるから寝られない選手も出てくるかもしれませんね。

M:6区はどの大学も箱根に前泊しますね。
ちなみに駒大はお寺に泊まるんですけど、僕の時はマネージャーや主務は大八木監督の隣に布団を敷いて寝ます。1年に1回、箱根駅伝の時だけですけどね。

監督より先に起きなきゃって思っていたけど、監督が先に起きて、肩をトンと叩かれたときは、どの目覚まし時計よりも目が覚めましたね。一瞬でスイッチ入りました。

萩原:監督を目覚まし代わりに使っちゃダメでしょ。
区間によって宿泊場所や起床時間も違うので当日は行動がバラバラになりますよね。ちなみに神大は3日くらい前から選手と会えなくなります。僕の頃は風邪予防の為、出場しない選手は寮を出されて大学の宿泊施設に泊まっていましたよ。

寮にはメンバー入りした選手だけになりますから、かなり閑散としますよね。今までワイワイしていたのに急に静かになるから、いいか悪いか環境が変わります。急に緊張感も増すかもしれませんが、風邪を引くよりは良いっていう対策だったと思います。

―花の2区を予想
西田:青学の森田選手はくるでしょうね。

M:東洋の相澤選手もくるんじゃないですか。それと、拓大のデレセ選手、順大の塩尻選手も。

西田:青学の森田選手は強いね。全日本もいい走りをしていたね。山梨のニャイロ選手も力はあるけどどうだろうね。

M:ニャイロ選手はロードに強いって印象ですよね。

萩原:1区・2区の流れって重要で、そこで流れができて、その後の順位も決まってくるので、どの大学も主力を注いでくるでしょうね。

M:国学院は3本柱があるから前半で流れに乗るかもしれませんね。中大も3本柱ありますから期待しています。