ムヨンは人からエサをもらうけど、人を寄せ付けないノラ猫のような人

写真提供:衛星劇場

――撮影で一番記憶に残るエピソードを教えてください。

イングク:セリフからソミンさんの気持ちを感じ取れた時や、ソミンさんにそのことを話す時、そしてソミンさんがそれを聞いて自分もそうだと話した時…。役者として、それくらい演技の相性がピッタリと合って、幸せを感じる瞬間はないと思います。自身が表現しようとした感情を相手が確実に感じ取り、それについて語る時は一番嬉しいですし、記憶にも残りますね。

それから、少し心が痛んだ記憶なのですが…。僕が悪い連中に殴れらるシーンがあるんですが、その時、殴る側の役者さんが演技に熱中しすぎて、足の甲をケガして血が流れていることに気付かないまま、ずっと演じてらっしゃったんですよ。その時は、本当に心苦しかったですね…。

――お気に入りの名場面と名セリフを教えてください。

イングク:たくさんありますよ。奇妙な雰囲気で描かれたシーンもたくさんありますし…。理性よりも感情が前にいってしまい、意外な行動を取ってしまう時などは、不思議と面白く表現できるんですよ。特に今作では、ジンガンとムヨンの2人のシーンでそういったことが多かったです。

ムヨンの場合、ジンガンに対して理性よりも感情で近づき、“僕はおかしいみたいだ。もうダメだ”などと、躊躇うことなく話すんですが、僕が思うジンガンは、すごく心に響いているのに、その気持ちを理性で押し殺そうとする人物なんですよ。そんな正反対の2人が接触していくので、すごく面白い相乗効果が生まれるんです。だから、名場面は本当にたくさんありますね。

ジンガンは相手が何かを話そうとする時、“あぁ、またその話か。聞きたくない”と思ったら、その場を去ってしまうんです。猫みたいな感じですかね。大体の人は、相手がなぜ怒っているのか気になるところを、ジンガンの場合はその場の雰囲気が嫌だから、そこから抜け出そうとするんです。ジンガンとのシーンはほとんど記憶に残っていますね。セミがすごく鳴いていた公園のシーンも面白かったですし、自転車のシーンも面白かったですし…。

あの…、動物に例えたくなってしまったんですけど…。言ってもいいですか? 急に思いついちゃって…(笑)。ノラ猫で鋭い性格なのに、人間のそばにいる子っているじゃないですか。人間には慣れていて、ごはんをもらったら食べるけど、人を絶対に寄せ付けないノラ猫! ムヨンはそんな感じの猫で、ジンガンは、“ケニャン(犬猫)”って感じ?

韓国では、犬のように愛嬌があって人間にぴったりと寄り添う猫のことを“ケニャン(犬猫)”って言うんですよ。ジンガンは、そんな感じの可愛い猫で、ジングクは、超大型犬って感じです。人間のことが大好きなレトリバーのような…すみません。突拍子もなく、こんなこと言って…(笑)。

©STUDIO DRAGON CORPORATION/FUJI TELEVISION

――ユ・ジングク役のパク・ソンウンさんと共演されてみていかがですか?

イングク:ソンウンさんが演じるジングクとムヨンは薄い氷が張っている上に立って対峙しているような…。でも、お互いに相手を殺そうと睨み合っているわけではなく、すごく気品高く、ユーモアも含めながら!(笑) 一瞬でも隙を見せてしまったら、その薄い氷が割れてしまう…、そんな心理戦を繰り広げているんです。

だからと言って、相手は敵だと決めつけてしまったら面白くないじゃないですか。“あぁ~、2人はすごく仲良いんだね”って感じながらも、“あぁ~、2人は心理戦をしているんだ”と思うような二面性のある姿をご覧いただけると思います。

劇中では心理戦を繰り広げる間柄だけど、実際はソンウンさんとすごく親しいんですよ。今作が始まる前からプライベートで知り合い、ソンウンさんの人柄もよく知っていたので、本当に楽しい撮影になりそうだなぁと思い、とても気を楽にして撮影に臨めましたね。

――ドラマをこれからご覧になる日本の皆さんに一言お願いします。

イングク:僕のファンの皆さんにはすごく久しぶりの挨拶となり、まずは“ごめんなさい”と伝えたいです。こうして久しぶりに挨拶できることになりましたが、今作では皆さんがガッカリしないくらい素敵で完璧な姿をお見せますので、期待してくださいね!

『空から降る一億の星』ストーリー

©STUDIO DRAGON CORPORATION/FUJI TELEVISION

広告デザイン会社で働くユ・ジンガン(チョン・ソミン)は、20歳離れた警察官の兄・ジングク(パク・ソンウン)と2人で暮らす29歳の独身女性。ある日、陶芸家の親友・ペク・スンア(ソ・ウンス)が開く個展会場を訪れたジンガンは、怪物と呼ばれた男・キム・ムヨン(ソ・イングク)と偶然出会う。だが、会場で行われるパーティーの準備中にスンアの秘密を知ったムヨンは、その秘密を隠したいと願うスンアの望みを叶え、2人の距離は急接近していく。

一方、ジングクは、同僚が捜査する事件現場に偶然出くわすが、飛び降り自殺だと思われたその事件は、実は他殺だった。独自で捜査を始めるジングクだったが、その事件の真実に近づくにつれ事件は思わぬ方向に進んでいく…。

『空から降る一億の星』
衛星劇場にて日本初放送
毎週(金)午後11時から2話連続放送

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