現代の子育てでは必須アイテムである抱っこひも。しかし「すぐに肩や腰が痛くなる」「抱っこは疲れるからベビーカーに頼りがち」というママも多いのではないでしょうか?

「装着の仕方や姿勢がよくないと、ママの体に負担がかかり、肩や腰の痛み、疲れの原因になります。巷のママたちを見ていると、そんなケースが目立ちます」と話すのは、理学療法士で「一般社団法人体力メンテナンス協会」理事の浅川絵美さん。

そこで今回は、自身も4人の子どものママで、抱っこひもをよく利用するという浅川さんに、抱っこひもの使い方についてアドバイスをいただきました。

ここでは、ママたちの間で定番人気の抱っこひも「エルゴベビー・ベビーキャリア」を例に説明しますが、それ以外の製品でも、対面で縦に抱くタイプの抱っこひもであれば、基本のポイントは当てはまるそうです。

抱っこひもによって使用方法や注意点は異なるので、あわせて、持っている製品の取扱説明書も確認しましょう。

まずは装着の手順をおさらい

体に負担をかけるNGポイントや改善方法を教えてもらう前に、装着の手順を確認しておきましょう。以下は、「エルゴベビー・ベビーキャリア」の場合の大まかな装着の流れです。

  • 準備:各部のバックルを留め、ストラップ・ベルトの長さを自分の体に合わせて調整しておく
  • ウエストベルトを装着し、ベルトのバックルをカチッと音がするまで留め、ウエストベルト・ストラップの長さを調整する(ストラップの余り部分はゴムループに通しておく)
  • 赤ちゃんを抱っこして背中にベビーキャリアをかぶせ、片手で赤ちゃんを支えながら、左右の肩ストラップを肩にかける
  • 胸ストラップ(背中に横に走るストラップ)のバックルをカチッと音がするまで留め、胸ストラップの長さを調整する
  • 片手でベビーキャリアの上部を支えながら、肩ストラップの長さを片方ずつ調整する

なお、同ベビーキャリアで赤ちゃんを対面抱きできるのは、首が完全に座ってから。月齢でいえば4カ月から24カ月、体重でいえば5.5kg以上12.2kg未満が目安とされています(腰抱き、おんぶは腰が完全に座ってから使用可。詳しくは取扱説明書で確認を)。

体に負担をかけているかも? 3つのポイントをチェック!

浅川さんによると、次にあげるのが、抱っこひも使用時に気をつけたい3大チェックポイントだそう。

1.低すぎるのはNG!「ウエストベルトの位置」

ウエストベルトの装着は、同ベビーキャリアで赤ちゃんを抱っこするときの最初の手順です。

実は、ママの多くが、適切な位置よりかなり低い位置にウエストベルトを着けているといいます。

浅川さん(以下、浅川)「人の体の重心は、大体おへそのあたりにあります。たとえばダンボールを両手で運ぶとき、おへそより下の位置で持つと重くて持ちにくいですよね。

それと同じで、ウエストベルトの装着位置が低すぎると、赤ちゃんのお尻の位置がママのおへそより低くなって、重く感じる上に、体に余計な負担がかかります」

では、よりラクに抱っこできるウエストベルトの装着位置は?

浅川「抱っこしたときに、赤ちゃんのお尻が自分のおへそより高い位置にあるのが、体に負担のかかりにくい装着位置です」

ママのおへそより赤ちゃんのお尻が高くなるように装着することが、ラクに抱っこするコツなのだとか ©Emi Asakawa

「エルゴベビー・ベビーキャリア」の取扱説明書では、ウエストベルトは「ウエストベルトの上端がおへそにかかる位置」を基準に、身長が高めの人はそれより上に、身長が低めの人は下に装着するとされています。

浅川「ただ、最初から基準の位置に装着すると、赤ちゃんを抱っこしたときに、赤ちゃんの重みでウエストベルトの位置が基準より少し下がって、結局、赤ちゃんのお尻がママのおへそより低くなりがち。

ですので私は、身長に関わらず、最初は腰がくびれているウエスト部分にウエストベルトを装着することをおすすめしています。

ウエストベルトは、低い位置に着けず、ウエスト部分に装着を ©Emi Asakawa

といっても、産後のママは腰のくびれがわかりにくい場合もあるので、その場合は、おへその少し上あたりに着けてみるといいでしょう。

赤ちゃんを抱っこした後に、おへそと赤ちゃんのお尻の位置関係を確認し、こまめにベルトやストラップの長さを微調整して、自分の体型に合う装着位置・長さを探りましょう」

2.離れすぎていない?「肩ストラップの位置」

次に気をつけたいのが、肩ストラップの位置。ママがストラップを肩に引っ掛ける程度にかけているために、肩からベルトが落ちそうになっている例も多いといいます。

浅川「この着け方だと、抱っこひもの両サイドがゆるい状態なので、赤ちゃんの周りに余計な隙間ができて不安定になり、赤ちゃんの体にもママの体にも負担がかかります」

改善するには、肩ストラップを首に近い位置までしっかりとかけ、左右の肩ストラップをつなぐ胸ストラップをできる限り短くする必要があるそうです。

肩ストラップを首の近くまでしっかりかけて、背中の胸ストラップの長さをできるだけ短く調節します ©Emi Asakawa

浅川「最後に、肩ストラップの長さも調節して、赤ちゃんの体がママの体に自然に沿うよう、締め付けない程度に密着させましょう。そうすると、胸ストラップの位置が、ブラジャーのホックのある位置くらいまで下がってくるはずです。

「ハピママ*」更新情報が受け取れます