3.前傾に注意!「ママの姿勢」

装着方法とあわせて必ずチェックしたいのが、ママの姿勢です。流れ上、3番目に紹介しますが、「良い姿勢」は、抱っこひもを使うときの前提条件ともいえる重要なポイントなのだとか。

浅川「低く着けていたウエストベルトの位置を高くすると、『自分の顔が赤ちゃんの頭にぶつかりそう』と言うママが多いのですが、それは、ママの姿勢が悪くて、首が前に傾いているからなんですね。

子育て中のママは、授乳したり赤ちゃんのおむつを替えたりで、猫背になりがち。それだけでも腰や肩に負担がかかっているのに、その前傾した姿勢のまま抱っこひもを装着して赤ちゃんを抱っこすれば、さらに負担が増し、腰痛や肩こりが起こりやすくなります」

抱っこひもを装着しているときに、赤ちゃんの頭が顔に当たりそうな感じがする場合は、「猫背になっているんだな」と考えて、姿勢を正し、あごを引くといいそう。

背筋を伸ばしてあごを引いた状態が基本の姿勢 ©Emi Asakawa

鏡で姿勢を確認するのも一つの方法ですね。

浅川「背筋を伸ばしてあごを引くと、腹筋などのインナーマッスルに力が入り、赤ちゃんを支えやすくなります」

きちんと装着すればエクササイズにも

以上が、浅川さんが教える「抱っこひもの使い方」3つのチェックポイントです。

「1から3の着け方と姿勢をキープしていれば、負担が軽減されてラクになるのはもちろん、ベビーキャリアで赤ちゃんを抱っこして歩くこと自体がエクササイズになるんですよ」と浅川さん。

抱っこひもで抱っこした後「疲れてグッタリする」「肩や腰が痛くなる」という人は、ぜひ一度、着け方&姿勢の見直しをしてみましょう。

そのほか、使用時間にも注意を。

浅川「装着方法や姿勢を改善すると、何時間でも抱っこできるくらいラクになる場合もありますが、赤ちゃんの発達を考えると、長時間同じ姿勢でいるのはよくありません。2時間以内を目処に抱っこひもから降ろして、体を自由に動かせるようにしてあげましょう」

抱っこひも装着時の体への負担が減れば、ママたちの行動範囲も広がるはず。きちんと使いこなして、赤ちゃんとのお出かけを快適に楽しみたいですね。

新生児から使えるおすすめ抱っこひもは?

ちなみに、定番抱っこひも「エルゴベビー・ベビーキャリア」を、5.5kg未満、4カ月未満の新生児に使用するには、別途『インファントインサート』という付属品を購入する必要があります。ただ、このインサートは、慣れないママには少し使いにくいのだとか。

浅川「これから買うなら、エルゴベビーのベビーキャリアの中でも『ADAPT(アダプト)』という製品がおすすめです。この製品は、追加でインサートを買わなくても新生児から使える抱っこひも。3段階に形を変えられるので、子どもの成長やママ、パパの体型に合わせた細かい調整ができるんです」

最近は海外・国内のさまざまなメーカーから便利そうな抱っこひもが出ていますよね。選ぶ基準は人それぞれですが、どれを買うか迷っているママは、浅川さんおすすめの「エルゴベビー ・ベビーキャリア ADAPT」もチェックしてみては?

【取材協力】浅川絵美さん

一般社団法人体力メンテナンス協会理事。理学療法士として医療機関に10年勤務。出産経験とその後の産後トラブル、復職環境に疑問を感じ、産前産後ケアをはじめ、女性の健康をサポートする活動を始める。

現在は、東京都で「studio MORIE PARK」を運営するほか、全国で養成講座・レッスン・講演会・執筆活動など多方面で活動中。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。