番外編:大人気ツイート初の書籍化『僕の隣で勝手に幸せになってください』

最後にご紹介したい本は、フォトグラファーの蒼井ブルーさんが、これまでにTwitter上で綴ってきた独り言の中から、はっとするもの、気持ちが晴れるもの、面白いもの、笑えるものなどを厳選したものに、書き下ろしと写真を加え、4つの章にまとめて構成した『僕の隣で勝手に幸せになってください』(KADOKAWA/中経出版)という本です。

各章にはそれぞれテーマカラーが設けられており、黒の章、青の章、白の章、光の章にわかれています。

元気がないとき、不安定な気分を落ち着かせたいとき、悲しいとき、筆者はいつも蒼井ブルーさんのTwitterを眺めています。そこには決して「頑張れ!!」「気合だ!!!!」という“攻め”の言葉が書かれておらず、相手の様子を少しだけ離れたところでうかがいながら、紡がれたような優しい言葉がたくさんで、見るとホロリと涙が出てきてしまいます。

本の中には、恋愛や仕事や美少女モデルさんの思わず笑っちゃうような名言などが掲載されているのですが、個人的に特にお気に入りの言葉を引用させて頂きたいと思います。

「考えてもどうにもならない時は寝るに限る。」

「誰かに認めてもらえるだけで自分も自分を認めてあげられるようになったりするから、まずは誰かに認めてもらえるよう頑張ったりしよう。」

「大失恋が待っていようとも大恋愛をしよう。」

「別れは訪れるもの。だからもう泣かないで。出会いは引き寄せるもの。だからまた、きっと会える。」

「絶望にもやがて希望が、悲しみにもやがて喜びが訪れますように。」


いかがでしたか? 筆者はこの本を読んで、私たちが欲しているのはきっと、大それた言葉でも文章でもなくて、ただ少しだけ「あなたのことを気にしているよ。大丈夫だよ。一緒にがんばろ?」って、背中をポンと優しく押してくれる言葉なのかもしれないなあ、と思いました。読んでいるうちに、温かくて楽しい気持ちになってくるので、恋に悩んでいる人・失恋した人に、とてもおススメです。

今回の失恋本特集はいかがでしたか? 失恋した直後は、本を読む気力など、全くないかもしれません。ですが、少し時間がたった時、立ち直る一つのきっかけとして、本を読んで頂ければ嬉しいなあと思います。そこには、自分と同じような経験をした人が、自分には思いつかないやり方で、少しずつ前を向く様子が描かれているはずです。

自分自身の弱さを受け入れ、新たな一歩踏み出すそのお手伝いを、本がしてくれるかもしれません。

 京都府在住の26歳。三度の飯より本が好きで、またそのレビューを書くことを何よりも愛している。毒のある本やミステリーが好き。主に「読書」の分野で記事を書いています。いつでもアワアワしているフリーランスのライターです。 Blog