IDやパスワードがそれぞれ異なる各サービスサイトに自動ログインできる「簡単ログイン機能」を提供。NFC対応ICカードなどを使って認証する(イメージ)

NTT東日本は、公共の場所や飲食店などで誰でも手軽にインターネットが利用できるサービス「公衆かんたんタブレット(仮称)」の実現を目指した技術検証などのトライアルを実施する。戦後の固定電話の普及過程で自宅以外の場所で電話を利用できる仕組みとして広がった特殊簡易公衆電話(ピンク電話)に倣い、「公衆かんたんタブレット」のサービス化を目指す。

「公衆かんたんタブレット(仮称)」は、インターネットに馴染みのない人がインターネットを利用する際に感じる障壁を払拭し、公衆電話のように誰でも迷わず使うことができるサービスを目指して提供するもの。技術検証などのトライアルは、新潟県長岡市と山形県山形市の一部地域の商店街やカフェ、公民館など、地域の人々が多く集まる場所にタブレット端末を設置して実施する。現時点で実施が決定しているのは、ながおか市民センター1階のタニタカフェと山形県山形市七日町の七日町商店街の7店舗。長岡市のタニタカフェは6月24日~9月30日まで、山形市の七日町商店街の7店舗はで7月14日~9月30日まで行う。

設置するタブレット端末には、IDやパスワードがそれぞれ異なる各サービスサイトに自動ログインできる「簡単ログイン機能」を提供。トライアル参加者にNFCに対応したカードなどを配布し、予めインターネット上の各種会員向けサービスのIDやパスワードを含む情報を登録しておくことで、各サービスサイトからの申し込みなど、個人で行う必要のある手続きも、かんたん・セキュアに実現する。NFCに対応したカードなどに連動した端末ロックや、予め設定しておいた画像に対する座標の値(英数字)を入力する認証方式「イメージマトリクス認証」の実用性を評価・検証する。

利用者が使う機能だけを表示するシンプルなホーム画面と、直感的にも視覚的にもその機能が判別できるアイコンを有した画面デザインについて、ユーザーインターフェースの利便性も評価・検証する。また、各種のお役立ちコンテンツも用意。個人認証機能によって一時的に専用端末化したタブレット端末のポータル画面上に、「自治体からのお知らせ」「商店街からのお知らせ」「交通機関運行状況」「TV番組表」「雑誌読み放題」などを、店内でゆったりと寛ぎながら試用することができる。

認証機能の有効性や商用時の課題など、今回のトライアルでの結果をもとにサービス化を目指すとともに、さらなるICT利活用の促進や「地方創生」を目指した取り組みを進めていく。