バイきんぐのコントにほとんどアドリブがない理由とは?

――今年は加藤浩次さんやガレッジセール、ビートたけしさんなど、ベテラン勢もライブを行います。実際にお客さんを前にして舞台に立つことに楽しさを感じたり、原点回帰だったり、理由はそれぞれですが、バイきんぐさんの「単独ライブ」にはどんな意味がありますか?

小峠:今は単独をやらないとネタを作らないから、ネタをいっぺんに作るいい機会になっています。あとはお客さんの反応を見て、その後、別の場所でどのネタをやっていくかを考える場でもありますね。

――アドリブは多い方ですか?

西村:アドリブはボケが言う言葉じゃないですか。でも、そのボケのセリフを書いてるのは小峠なので、僕がアドリブを言って邪魔しても変な感じになっちゃうと思うんです。

小峠:今、西村がまるでアドリブが頭に浮かんでるように言ってましたけど、一度も浮かんだことないですからね(一同爆笑)。こいつ、インタビューとかでたまにカッコつけるんすよ。

西村:見つかっちゃいましたね(笑)。

――(笑)真に受けて、西村さんの凄さを書こうとしてました。

小峠:でも基本は台本ですよ。その時のお客さんの感じや流れで僕がアドリブを入れることはありますが、西村がそれにノってくることはないし、対応できないんです(笑)。僕のツッコミがなかったことにされたりもしますし。

西村:台本に「プランB」として書いてくれてたらいいんですけど(笑)。

テンポ良く見せるコントで「面白かった」と感動させたい

――今はいろいろなところでネタをする機会があると思うんですが、お客さんの反応で気になることはありますか?

小峠:単独ライブではそんなことないんですけど、テレビの観覧収録番組では、たまに引かれることがありますね。例えば、西村がアパートの元住人で、今の住人の家にやってくるというネタがあるんですが、その中で「向かいの池の鯉は僕が全部食べたんです!」というセリフで引かれましたねー。あとは、西村が血だらけのピザ屋の役で登場した時もそうでした。

――どうしてそうなるんでしょう?

小峠:その前のフリとか関係なく、ネタのひとつの要素だけに引いてるんだと思います。賞レースでガシガシやってたときなら、勝つことが目標だからそういうネタは外してましたが、今は“ひと笑いなくなるぐらい、いいじゃないか”という気持ちですね。

――最後に今度の単独ライブの見どころを教えて下さい。

小峠:さっきも言った通り、4、5分のコントをテンポ良く見せていくところですかね。ここまで徹底してこういうやり方をしているコンビは他にいないと思うので。

あと、僕は「面白かった」ということで感動させたいと思っています。「あそこのできがよかった」「あれがよかった」じゃなく、「面白かった」と思わせたいですね。

――単独ライブ、楽しみにしてます。本日はありがとうございました。

バイきんぐ単独ライブ「クィーン」

7月2日(木)・3日(金)
北沢タウンホール

会社員からテレビ番組やDVDなど映像関係の英日翻訳者を経てライターに。 ハーバルセラピスト、アロマセラピーアドバイザーの資格あり。子供の頃からお笑い好きで、当時読んだ「落語全集」は宝物。でも、なりたかったのは落語家ではなく小説家。今、こうして文章を書いて人に伝える仕事をしていることに喜びを感じてます。