当日編

「お茶屋通り」を歩いてみる

チケットをもぎってもらい(親方が入口にいてもぎり役をしていらっしゃいます)、正面木戸口から両国国技館に入り、左手に進んでみましょう。すると、相撲案内所の入口があります。そこは通称「お茶屋通り」。

江戸時代にお客様に代わり、大相撲の入場券や弁当など飲食の手配を引き受ける代行業として、お茶屋制度がありました。現在は案内所と名前を変えていますが、今も案内所を通してチケットなどを購入できます。

さて、このお茶屋通りがなんとも情緒たっぷりなんです。大相撲を見にきたぞ! と気分が高まること間違いなし。入場したら必ず通ってみてほしい場所のひとつです。

早目の時間から会場入りする

相撲は下から序ノ口、序二段、三段目、幕下、十両、前頭、小結、関脇、大関、横綱と地位が上がっていきます。「幕内」と言われる前頭以上の力士の取り組みから見にくる方も多いですが、もし時間があるならもっと早く会場入りするのが楽しいです。

それぞれの地位に面白さがあります。序ノ口にはデビュー間もない、中学卒業したてホヤホヤの若者がいたり。序二段や三段目には同じく序の口から上がってがんばっている若者、昔は上の地位で相撲をとっていたけれど、怪我などで落ちてしまったベテランがいたり。

幕下という地位もとても見どころが多いです。特に幕下上位に位置する力士たちの取り組みは壮絶。というのも、幕下以下は無給ですが、「関取」と呼ばれる十両の地位に上がれば、高給をもらえて、付き人がつき…と、待遇が天と地ほど変わるからです。

負傷などで地位を落としてしまった元関取などのベテラン、勢いのある生え抜き力士(中学卒業後に入門した力士)、大学相撲部時代に優秀な成績を残し、いわゆる“飛び級”のような形で、三段目や幕下の地位でデビューした力士などなど。

腕のある強い力士たちがひしめき合っているのも幕下の魅力。私も早起きできて、かつ時間があるときは、できるだけ早く会場入りするようにしています。

会場内を散策する

椅子席であってもマス席であっても、長時間座りっぱなしで同じ姿勢を取り続けるのは、けっこうしんどいもの。いくら惹き込まれるコンテンツを見ていても、体はどうしても疲れてしまいます。だからこそ、ときに休息は必要。

国技館館内には、大相撲グッズを販売する売店が数カ所あります。本場所中にしか買えないものもたくさん。私は推し力士のブロマイドや絵葉書を買うのが恒例となっています。力士の好物や地元の特産品を詰めた力士弁当、国技館内で焼いているやきとりも名物ですよ。

他にも力士とのプリクラ風写真を撮れるコーナー、相撲部屋のちゃんこ(鍋)を味わえる地下1階大広間なども訪れたいスポット。適宜休憩しながら、長時間に及ぶ大相撲観戦を存分に楽しみたいものです。

取り組みが“メインイベント”ではありますが、生観戦をしに両国国技館へ行くなら、他のイベントもぜひ味わってみてください! 事前準備もお忘れなく。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。