玉城裕規  撮影:石阪大輔 玉城裕規  撮影:石阪大輔

原作・吉田恵里香×演出・中屋敷法仁(柿喰う客代表)という異色タッグによる朗読劇シリーズ。8月に再演される『僕とあいつの関ヶ原』と同時期、新作『俺とおまえの夏の陣』が上演となる。『夏の陣』の舞台は、タイトル通り戦国末期の「夏の陣」の戦い。伊達政宗の側近・片倉小十郎として知られる初代・景綱、二代目・重長という親子二代の視点から描き出す。愛情や葛藤といった人間臭さたっぷりの、新感覚の歴史朗読劇だ。

『僕とあいつの関ヶ原』チケット情報

『僕とあいつの関ヶ原』の初演・再演に続き、今作にも出演する玉城裕規は、「前回2役で、今回は再演含めると3役以上を演じることになります。それぞれ違う色を出すのは正直プレッシャーですが、中屋敷さんと相談しつつ作り上げたいです。中屋敷さんの演出は、観る者を飽きさせない。朗読劇とはいえ、かなり動きもあるので、演じ分けはしやすいですね。今回の演出がどうなるかを含め、すべてが楽しみです!」と士気を高める。

ちなみに玉城と演出の中屋敷とは、前作を通じた“飲み友達”とのこと。中屋敷いわく、「玉城くんは、気軽に誘える相手なんですよ。役者としても大好きです!」。また、舞台については、「稽古でセッションしながら、俳優の魅力をどこまで膨らませられるか」に全力を投じるという。「『僕とあいつの関ヶ原』のほうは1人複数役でバラエティ豊かなところを重視しましたが、新作のほうは1人1役で、濃密な関係が楽しめるはずです」と見どころを語る。

『僕とあいつの関ヶ原』と『俺とおまえの夏の陣』の両作への出演が決まった宮崎秋人は、「朗読劇は過去2回出演しましたが、難しく、まだ自分のなかで打開策を見つけられていません。今作で、それを突破して、朗読劇をもっと好きになれたら」と熱を傾ける。舞台『弱虫ペダル』で注目を浴びる宮崎が、奇才・中屋敷のもと、どのように伸びるかにも注視したい。「中屋敷さんの作品は何回か拝見していますが、作品によって色が変わるので、今回どういう演出になるのかがとても楽しみです。僕の今の想像どおりには、絶対にならないと思います!」と宮崎自身も胸を躍らせる。また、衣装については、「普段和服を着る機会がないので、一瞬たりとも気が抜けませんね」と気を引き締めていた。

最後に、中屋敷からメッセージをもらった。「戦国時代の風景を見せるというレベルではなく、熱き男たちが生きた熱き時代に、観客を引きずり込む舞台です。1ステージ1ステージ、夢をお見せしますので、ぜひ劇場まで会いに来てください!」戦国時代を共に生き抜く夢の感覚を、ぜひ劇場で味わいたい。

朗読劇『俺とおまえの夏の陣』の上演は、8月8日(土)・9日(日)東京・天王洲 銀河劇場にて。『僕とあいつの関ヶ原』の再演と同時期、同劇場にて上演される。

取材・文:荒川陽子