木村拓哉が主演する映画『HERO』の完成報告会見が5日、東京・霞ヶ関の法務省で開かれ、木村のほか、北川景子や佐藤浩市、吉田羊、八嶋智人、杉本哲太、小日向文世、角野卓造、濱田岳、松重豊らキャストが参加した。配給会社の東宝によると、法務省で映画の完成報告会見が開かれるのは史上初めてで、検察官が主人公の作品ならではの会見となった。

 木村は、「実際に弁護士や検察官になられる方が必ず通過して世の中に出ていく場所で発表ができたことを、光栄に思います」とあいさつ。「任官された方の中に、この『HERO』を見て検察官になろうと思った方がいて、ここから巣立ったと聞いて、やりがいを感じています。今回の作品からもいろんなものを受け取ってくれることで、どれだけ皆さんの人生に関わることができるのか、すごく楽しみにしています」と期待を込めた。

 『HERO』は東京地検城西支部を舞台に、木村が演じるスーツを着ない型破りな検察官、久利生公平と同僚の検察官や事務官が、真実にたどり着くために奔走する物語で、2001年に連続ドラマがスタート。平均視聴率が30%を超える大ヒットとなり、07年には映画第1弾が、14年には連続ドラマの続編が放送され、いずれも評判を呼んだ。

 今回の映画では、かつて久利生とコンビを組んでいた事務官の雨宮舞子を演じていた松たか子が、検事となった雨宮を演じる。前回の映画以来となる木村と松のツーショットに14年放送のドラマから参加した北川は撮影現場で「すごい、本物の『HERO』だ」と思ったそうで、「ドラマを見ていた中学時代にタイムスリップしたみたいで、うれしかったです」とほほえんだ。

 今回は、大使館の治外法権というかつてない難題に立ち向かう久利生らの姿が描かれ、佐藤演じる外務省の高官と対立する場面が登場する。佐藤は、木村との最も重要なシーンを撮影する日に、アレルギーで顔が腫れた状態だったことを告白。「でも木村さんにすぐ紹介してもらった病院で点滴と注射を打ったら、腫れがおさまって撮影できました」と、突然のハプニングを救った木村への感謝の言葉を口にした。

 映画『HERO』は、18日から全国で公開される。