2019年はどんな年に?

浅井:2018年、Purple Stoneというバンドが、解散を事後発表したんですよね。ファンの人の気持ちのやり場が無いようなことはやめてほしいな。

最後に全国ツアーとまではいかなくても、最後に思い出を作れるものであれば、悲しいけれど笑顔で送り出せるものを、ファンの人が知らないところで「解散してました」は悲しいので。

吉田:NOCTURNAL BLOODLUSTの一件も、僕もファンなだけにショックでしたね。

神谷:そこでファンの時間が止まっちゃう部分はありますよね。ずっと過去の中で生きてずっと悲しみ続けちゃうような。バンドのメンバー同士でそのバンドならではの仲がいいところを見るとファンの人は安心しますし。

浅井:「仲がいい」の定義も難しくって。それぞれ適切に距離を見つけ出しているバンドは長く続くと思う。そう考えると最近のバンドは長く続いてますよ。

昔はブレイクしたバンドはすぐ解散していた。BOØWYだってユニコーンだって、LUNA SEAだってメジャーデビューから解散、終幕までどのくらいの期間だったかというと……。

藤谷:今思うと短いですよね。もう「復活後」の方が活動期間が長いバンドもいますし。

吉田:D’ERLANGERなんてその典型ですよね。

浅井:最近は皆長くがんばるなあって。昔は「俺ほんとは別のことをやりたい」ってバラバラになるイメージがあったけど、今どきのバンドは大人だなって思いますね。

藤谷:長くやっているバンドも増えたし、ヴィジュアル系という言葉が生まれで30年くらい経っていて、ジャンルとしては成熟しているのかもしれない。

バンドが結成10数年目にして武道館みたいなケースってヴィジュアル系では中々ありませんが、そういうバンドも出てこないかな。さて、2019年はどんな年になるんでしょうね。

神谷:「他がやっていない」ことを活動や作品の基準にするだと、周りを気にしすぎて縮小再生産になってしまうと思うんです。好きなもの、自分が信じているもので突き抜けてほしい。そういうバンドが主流になったら面白いんじゃないでしょうか。

例えばSUGIZOさんってYouTubeの食レポ(※11)ひとつとっても、ひつまぶし食べながらウナギに「ごめんよウナギ、命を頂くよ」って謝っていたり、小宇宙を感じていたりする。それってすごくSUGIZOさんらしいじゃないですか。好きなことを見つめ直して、表現してほしい。

チェキだって批判されがちですけど、もしもチェキを使ってもっと突き詰めた表現をする人たちが出てきたら面白いのかもしれない。

※11 2018年夏、SUGIZO公式YouTubeにて突如アップロードされた「SugizoTube『天下一品 in 京都』」以降、不定期に食レポ動画を公開。食レポでも「バシがけ」「グルテン無礼講」などSUGIZO独自の言語センスを遺憾なく発揮している。なおToshlもYouTube動画を公開しており、X JAPANには2人YouTuberが在籍していることになる(のか?)。

吉田:ひとことで言うと、良い楽曲を出すバンドが増えて欲しいですね。説明できないくらい曲がいい、こんな曲今まで聴いたことがなかった! みたいな。

アイドルでも“楽曲派”と言われるグループは根強いし、先入観なく音楽が聴けるストリーミング時代なんだから余計に「曲がいいよね」という形でバズって欲しい。

藤谷:私はもっと説明したいし言葉を尽くしたいんですよね。アイドルだったりラップだったり、長く続いてるジャンルって「言葉」があるように思うんです。

ファンの語りだったり評論だったり、ヴィジュアル系は歴史の割には「言葉」が足りてないように思うんです。そういう場所が増えたらいいなと思います。

神谷:ファンの人も「参加する」ことが大事になってくるのかもしれません。これはヴィジュアル系に限ったことではなく、オンラインサロンなどでも「参加する楽しさ」が人が集まる、お金を払う理由になっているんです。

ビジネスの文脈でいうと「お金を払って参加する、働くという流れ」は既にあります。鑑賞する、消費するとは違った一緒に作る、参加するという気持ちを連動させたらシーンをもっと盛り上げることができるのかも。

浅井:僕としては、伸び悩んで苦しんでるバンドたちに、一組でも多く明るい光が射してくれることを期待するしかないですね。

他にはメンバーが誰一人ツイッターやらずに売れるバンド、要はファンから距離を置いているバンドが出てきたら面白いんじゃないかな。もうサービスエリアで食べたラーメンとかはSNSにあげなくていいから(笑)。

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