イラスト:Chacco

激シブの演技派も好演!2人のイケオジが美少女を守る

もう一人、注目すべき俳優がいます。ジャーナリスト役を演じるナワーズディーン・シディッキー(以下ナワーズ)。日本公開された「女神は二度微笑む」や、「めぐり逢わせのお弁当」にも出演する演技派が、ひと癖ありながらもアツい魂を秘めたジャーナリスト、チャンド・ナワーブを演じます。

鋭いまなざしや独特の存在感から、陰のある悪役を演じることも多いナワーズですが、今作ではまた違った側面を見せてくれます。

特に後半にかけての存在感は特筆モノで、パワン、ムンニーとの3人旅は見ているだけで笑顔になれるほど。正直すぎるパワンをサポートするスマートな彼の存在は、物語が進むにつれて本当に頼もしく感じます。

大柄でムキムキのサルマン・カーンと小柄で細身なナワーズは、絶妙の凸凹コンビ。激シブのイケオジ2人が、なんともキュートな少女を守り旅をする…。名作「レオン」がお好きなら、絶対にグッとくるシチュエーションです。

愛に溢れたストーリーに、思わず目頭が熱くなる!

魅力あふれる2人のヒロインがストーリーを彩る

この作品に流れるテーマは、一言で言えば“愛”。たとえば、パワンと小さな迷子ムンニーに流れる愛には心を打たれます。ムンニーの何とも言えない可愛らしさがあるからこそ、絶対に家まで送り届ける!というパワンの決心や、愛する娘を見失って混乱する母親の痛みも胸に迫ってきます。

表情やしぐさでひしひしと伝わる感情や思い、ムンニーを演じたハルシャーリー・マルホートラの可愛らしさは、まさに国境を越えた魅力があります。

そして、主人公パワンと、ヒロインであるラスィカーとの愛も印象的です。可憐でありながらも気丈で知的なヒロインは、「きっと、うまくいく」のヒロインも演じたカリーナ・カプールの得意とするところでしょう。

主人公とヒロインとの出会いや関係性をしっかりと描いてくれるのも、インド映画の大きな魅力。ムンニーとラスィカーというヒロイン2人の存在は、ストーリーを華やかに彩っています。

波乱万丈の物語は、大きな愛を語り出す

物語は、手に汗握る波乱万丈の展開を見せていきます。その中で、歴史的経緯から対立するインドとパキスタンという二つの国、そして時に衝突を生むヒンドゥー教とイスラム教という二つの宗教が、一方的ではなくそれぞれの立場から描かれます。

登場人物同士の愛はもちろんのこと、描かれる愛の規模が、大きく広がっていくんです。

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自分の信じる神に対する愛や、国に対する愛、さらには人類愛にまで。誰かが誰かを思いやる、その真摯な愛には、思わず目頭が熱くなってしまいます。クライマックスには、思わず声をあげてパワン=バジュランギを応援したくなるようなシーンも。

他者を攻撃したり、罵ったりする暴力的な言葉があふれ、憎悪をあおる情報が洪水のようにやってくる現代において、「バジュランギおじさんと、小さな迷子」は、一つの寓話のようです。

この泣ける名作を、ぜひ劇場でご覧になってください!

■「バジュランギおじさんと、小さな迷子」
2019年1月18日(金)公開