スマートフォンで操作できるイーハン製ゴースト ドローンをコスモス・ベリーズで販売

小型無人機「ドローン」の飛行規制法案の修正案が衆議院内閣委員会で可決した7月8日、ヤマダ電機グループのコスモス・ベリーズは、中国のイーハン(億航、EHANG)製「GHOST DRONE(ゴースト ドローン)」を国内で初めて販売すると発表した。この日は、都内のホテルで加盟店向けに販売勉強会を開いた。

いわゆるドローン規制法案は、国の重要施設の上空を無断で飛行させることを禁止し、違反した場合には1年以下の懲役や50万円以下の罰金を科すとした法案。ドローンの規制が強化される一方で、物流や災害時の活用など、新しいビジネスチャンスに期待する声も大きい。

コスモス・ベリーズの三浦一光会長は「このような商品発表会を開催するのはコスモスとして初めてで、今後も国内家電メーカー以外の新商品を扱っていきたい。ドローンを活用した新しいビジネスをどんどんとつくってほしい」と語った。

●都市部は規制が厳しく、地方でビジネスチャンス

発表会には販売代理店のサイバーマート(中国・上海市)の張瑞麟会長も出席。ゴースト ドローンの販売チャネルに大手家電量販店ではなく、コスモス・ベリーズを選んだ理由について「日本の都市や市街地では公園でもドローンが飛ばせないほど規制が厳しいが、地方なら問題ない。1万店のネットワークを持つコスモス・ベリーズには地方の販売店が多いことと、操作が簡単なゴースト ドローンは売る人と買う人が体験しながら使ってほしい商品なので、われわれの狙いと合致した」と語った。

実際に、参加した加盟店の店主からは「屋根に上らなくてもドローンで撮影した映像をお客様に確認してもらうなど、屋根リフォームの提案に使えそうだ」と自らのビジネスに生かすアイデアも聞かれた。

販売する製品のラインアップは、カメラなしの「GHOST Basic」(6万5000円)と、アクションカムの「GoPro」を装着できる「GHOST Aerial」(8万9000円)、「GoPro」対応とオリジナルカメラ搭載の「GHOST Aerial Plus」(9万5000円)の3機種がある。

●スマートフォンで直感的に操作できるゴースト ドローン

ゴースト ドローンの最大の特徴は、スマートフォン(スマホ)で直感的に操作できる点だ。スマホにアプリをダウンロードすると、画面にコントローラーのアイコンが映り、それをタッチするだけでドローンの基本的な操作ができる。

スマホとドローンはBluetoothでつながり、距離は最大1Km、フライト時間は18~23分、最大フライト速度は80Kmまで出せる。もっとも、速度は最初の基本設定は16キロに抑えられている。

アプリにはベーシックバージョンとアバタ―バージョンの2つがある。

ベーシックでは「アンロック」「離陸」「リターン」「降下」「フォローミー」「ホバリング」の六つのアイコンが表示される。たとえば、リターンを押せば、バッテリーがなくなりそうなときや、遠くまで飛んだときに自分の場所まで戻ってくる。フォローミーは、自分の少し後ろを距離を保ちながらついてくる。ホバリングは、上空で待機するなど、基本操作はだれでも簡単にできる。左右などの方向調整は、スマホを傾けると、連動してゴースト ドローンが方向を変える。

●将来的にはバーチャルリアリティーも視野に

もうひとつのアバタ―バージョンでは、加速や減速、方向転換などさらにスマホとのダイレクトな操作感が得られる。たとえば、手のひらの上でスマホの手前と奥を回転させると、それに合わせてドローンが方向を変えるといった感じだ。

ゴースト ドローンには、将来的にバーチャルリアリティー(VR)も取り入れていくという。眼鏡をかけると、目の前にゴースト ドローンで撮影している映像が広がり、視線を変えたり、首を動かせば、それに合わせてドローンの動きも変わるというのだ。

空を飛んでいるような疑似体験ができるなど、ゴースト ドローンは大きなポテンシャルを秘めている。

●サイバーマートは今後もクリエイティブな商品を国内に投入

販売代理店のサイバーマートは、ベンチャーキャピタルとしての側面も担っており、イーハンを開発投資やマーケティング面で支えている。

イーハンのほかにもクリエイティブな商品を開発・販売しているベンチャー企業を支援しているケースは多い。たとえば、車のフロントガラスに情報を映し出す車載用ヘッドアップディスプレイや体に触れるとこなく体温を測れる赤外線体温計、音楽に合わせて水の波形が変わる音楽が見えるスピーカー、指のタッチだけで水量や温度が変えられるスマート蛇口など。

ドローンに限らず、こうした新しい商品が続々と国内でコスモス・ベリーズを経由して紹介される予定だ。