ニコラスコロン credit Jim Hinson ニコラスコロン credit Jim Hinson

2月2日(土)、東京芸術劇場で行われる東京都交響楽団の第873回 定期演奏会Cシリーズでは、ふたりの「新星」の共演に注目が集まる。

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2008年に引退した偉大なピアニスト、アルフレッド・ブレンデルに認められ、13歳から師事したのがキット・アームストロングだ。26歳という年齢が似つかわしくないほど、師譲りのエレガントで知的な演奏を聴かせるピアニストで、ブレンデルが「これまでに出会った最も偉大な才能の持ち主」と惚れ込むのも納得の逸材中の逸材である。演奏だけでなく作曲家としても活動する天才が聴かせる、得意の古典派を聴き逃すわけにはいかない。

30代半ばのニコラス・コロンは圧倒的な爆発力のある演奏で注目される新鋭指揮者。彼が創設したオーロラ・オーケストラ(ロンドン)は、ほぼ立奏かつ暗譜でベートーヴェンの交響曲を演奏することで話題を集めている。ピリオド楽器や奏法を取り入れつつも、レパートリーが広く、古楽という枠組みを超えていくスタンスはまさに、フランソワ=グザヴィエ・ロトやテオドール・クルレンツィスの後継といったところ。性格の異なるふたつのストラヴィンスキー作品をどう演奏し分けるのか、目が離せない。

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文:小室敬幸(音楽ライター)