メタリックでガジェットのようなデザインが男性の心をくすぐるスカルプドライヤー

夏になると、露わになってくる“毛”に関する悩み。暑さで浮き出る頭皮の脂や汚れ、そして薄毛が心配になってくる時期だ。そんな悩める男性にとって心強い味方となるのが、国内美容機器メーカーの老舗であるヤーマンが開発した「スカルプドライヤー」。毛髪に悩みを抱える男性をターゲットに開発した新しいタイプのスカルプ家電だ。

「BCNランキング」では、2015年5月から2回にわたり、スカルプドライヤーのレビュー記事を連載してきた。今回は、その内容をおさらいしながら、2か月間、継続して使ってみた効果を検証してみよう。

●髪と頭皮にうれしい2つの特徴

スカルプドライヤーの第一のポイントは、髪を乾かす際のダメージがほぼゼロであることだ。一般的なドライヤーは、90℃を超える熱風で髪の毛を乾かす。このとき、熱によって生じた毛髪や毛根へのダメージは、髪を傷めたり、毛が抜けたりする原因になる。一方、スカルプドライヤーの「ドライモード」の温風は約60℃。頭から10cmくらいの至近距離から当てても、あまり熱いとは感じず、髪や頭皮を熱で傷めることはない。

風の温度が低いと、髪を乾かす時間が余計にかかるのではないかと不安に思う人も多いだろう。しかし、そんな心配は不要だ。なぜなら、スカルプドライヤーは遠赤外線機能を搭載しているからだ。遠赤外線には、髪の毛を内側から温める効果があるので、短い時間で髪の毛を乾かせる。髪をいたわりながらも、手早く乾かすことができるのはスカルプドライヤーの大きなメリットだ。実際に、他のドライヤーと使い比べてみても、髪を乾かす時間はほとんど変わらなかった。

スカルプドライヤーの第二の、そしてその最大の効用といえるポイントは、振動ブラシで頭皮をダイレクトに刺激できることだ。スカルプドライヤーは、髪を乾かすときに利用するドライモードに加え、送風口にスカルプ用のブラシアタッチメントを取り付けて利用する「スカルプHOTモード」と「スカルプCOOLモード」を搭載。いずれかのモードに設定すると、バイブレーターでブラシが小刻みに振動する。これを頭皮に直接当てることで、振動による頭皮ケアができるのだ。「スカルプHOTモード」は、頭皮をじんわり温めながらもみ流し、頭皮環境を整える。「スカルプCOOLモード」は、育毛剤を塗布した後に、頭皮に有効成分が浸透するのを補助する効果がある。

具体的な使い方については、連載第1回、連載第2回の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。

●スカルプドライヤーを使い始めて、2か月。その成果は?

さて、論より証拠。2か月にわたり、スカルプドライヤーを実際に使用した結果を検証してみた。まずは、スカルプドライヤーを試す前後で、頭皮をマイクロスコープで撮影した画像を比較してみよう。

画像を比べて、まず分かるのは髪の毛が太くなったということ。以前はひょろっと頼りない印象だった毛髪が、ずいぶんと頼もしい印象になった。特につむじでは、使用前には横になっていた髪の根元がふわっと立ち上がり、生気の漲りが伝わってくる。また、てかりが抑制され、肌がやや青白くなっていることも確認できる。これは頭皮が健康な状態に近づいた証しだ。

これらの成果は、日々の積み重ねがあったからこそ。ある日、突然髪の毛がたくましくなったわけではない。劇的な変化を感じられるわけではないが、この結果を受けて手ぐしを通してみると、頭髪全体のボリュームが増したように感じられた。わずか2か月でこれだけの実感を得られるのなら、これからも継続して使ってみようという気になる。

毛髪への直接的な効果を得られたのはうれしいことだが、それを別にしても、スカルプドライヤーを使ってみて、よかったなと思えることがあった。それは、身体全体へのリラックス効果だ。

筆者のように現状の毛髪に危急の不安をもっているわけでない人にとって、毎日飽きずに頭皮ケアを続けることは、なかなか難しいものだ。しかし、スカルプドライヤーの動機づけは、頭皮ケアだけにとどまらない。頭皮に振動を与えることで、疲れた身体を癒すことができるので、いつのまにか習慣化しているのだ。

例えば、私は仕事柄、PCとにらめっこしていることが多いが、一日の終わりには目や首の周りの筋肉が緊張し、重さを覚える。そんなときは、スカルプドライヤーで頭皮に加えて、耳の裏や肩周りのケアをする。メーカーが推奨する本来の使い方ではないが、当てた部分から周辺部が温かくなり、ほっと一息つける。その快適さがあるから、自ら進んで頭皮の振動ケアを毎日実践できるのだ。効果は筆者の体感であり、少し大げさかもしれないが、頭皮を含めた全身のリラクゼーションケアをスカルプドライヤーでしているような気になる。

もちろん、育毛に関心をもっている人なら、なおさら手放させないアイテムになることだろう。ヤーマン社に直撃した第2回の連載でも言及したように、「スカルプCOOLモード」で育毛剤を頭皮に揉み込むことで、有効成分「ミノキシジル」の角質層への浸透効果が約1.5倍になることは、第三者機関の調査で確認されている。育毛剤を日常的に利用する人は使わないと損だろう。

髪の毛に不安をもっている人はもちろん、なんとなく普段の疲れを解消したいという人にもおすすめのスカルプドライヤー。洗面所の空いたスペースにコンパクトに設置できる自立式のデザインや、コードを本体に巻きつけても断線しないコード留めなど、長く使うことでありがたみを感じる機能性も満載だ。女性が気にするであろうキューティクルとツヤを保つ効果もあるので、男性限定のスカルプケア機器としてではなく、家族みんなで髪と頭皮を健康に保つための一台としても活躍が期待できる。(フリーライター・星政明)