シャリース シャリース

セリーヌ・ディオン、マドンナなど、世界の音楽史に残る数々のモンスター・ヒット曲をてがけてきたスーパー・プロデューサー、デビッド・フォスター。そのフォスター氏が、アシャンティ、フィリップ・ベイリーなど、自身が惚れ込んだシンガーたちとともに来日公演「デイヴィッド・フォスター&フレンズ ジャパン・ツアー2011」を開催。中でもフレッシュな存在感を放っていたのが、フォスター氏のバックアップで全米デビューを果たしたフィリピン出身の天才R&Bシンガー、シャリースだ。

シャリースのその他の情報

「アジア人で初めて全米トップ10入りを果たしたシンガー!」というフォスター氏の呼び込みとともに、オリジナル曲『ラウダー』を歌いながらステージに登場したシャリース。小さな身体からは想像もつかないパワフルでエネルギッシュなその歌声に、場内から大きな歓声があがる。さらに、フォスター氏の奏でるピアノとともにデスティニーズ・チャイルドの『スタンド・アップ・フォー・ラヴ』、トニー・ブラクストンの大ヒット曲『アンブレイク・マイ・ハート』を、19歳とは思えないエモーションを込めて熱唱。歌い終わるや「素晴らしい歌声だよね!」と、フォスター氏が改めて絶賛するのも納得。とはいえ、曲の合間で「もはや日本は第2の故郷って感じなの」と答えるその笑顔のあどけなさは、やっぱり10代の女の子!

最後はシャリースの永遠の憧れ、セリーヌ・ディオンの『パワー・オブ・ラヴ』を。天性の歌声と、どんな状況でもものおじしない度胸と愛嬌。ほんの数曲の短いステージにも関わらず、フォスター氏の手腕により見事に開花したシャリースのスター性を再確認する、貴重なステージだったといえる。

ラッセル・ワトソン、アシャンティ、フィリップ・ベイリーがそれぞれ素晴らしいステージを披露した後、トリを飾ったのはカリスマAORシンガー、マイケル・ボルトン。彼がこの夜最後に披露した曲のデュエット相手として選んだのは、シャリース! 30年以上のキャリアを誇る大物シンガーと互角に歌い合うその堂々とした歌いっぷりと才能に、会場の誰もが釘付けに。

3月の大震災が引き起こした悲劇に対するフォスター氏のメッセージの後、この夜最後に披露されたのは、マイケル・ボルトン、ラッセル・ワトソン、アシャンティ、フィリップ・ベイリーが勢揃いして歌い始めたマイケル・ジャクソンの『アース・ソング』。サビにさしかかったところでシャリースがステージに登場し、なんとソロ・パートを披露。次のソロはアシャンティが担当するという、夢のようなゴージャスなカバー場面に。

そんな『アース・ソング』同様、「震災で愛する人を失ってしまった方たちに捧げたい」という切なる思いが込められているのが、10月5日にリリースされたシャリースの2ndアルバム『∞/インフィニティ』だ。@ぴあでは、アルバムについて語ったインタビューの全容を掲載中。ぜひチェックしてほしい。

取材・文:早川加奈子