悩むし迷う。でも、自分の感情を受け入れて

――完成した映画を観て、どんなことを感じましたか?

竹内:ああ、私は大人になっても、たいして変わらないなと。いつもライリーみたいに迷うし悩むし、自分で感情の整理がつかない時もたまにあります。でも、この映画を観たら、そういう時はきっと感情のなかの誰かが旅に出ちゃっているんだな、今は少し休もうと、ネガティブな時も肯定的に受け入れてみようかなと思えるようになりました。

自分を理解することって、意外と難しいですよね。混乱するのはライリーも私も一緒だなと。大人になってもそういうことがあるから、それでいいんだよと言われているような気がしました。そんな自分も許してあげてもいいかなって。

大竹:私は、イカリもビビリもあってもいいけど、やっぱり生きる上ではヨロコビが先頭に立っていてほしいなと思いました。私自身も若い時は、イカリやムカムカ、カナシミも含めてあったけど、いっぱい生きていると、ちょっとやそっとじゃ悲しまないし、ちょっとやそっとじゃ怒らない。ビビリもムカムカもしなくなってくるんです。だからこの映画みたいに、最初に生まれてきた時はヨロコビだったということを心に置いて、今後も生きていきたいなと思います。

――この映画を特にどんな方におすすめしたいですか?

竹内:(監督の)ピートさんご自身が、お嬢さんの心の変化を見て、アイディアを得られたということなので、お子さんのいる方もそうですし、友人、知人との関係に悩んだことのある方とか、恋人の頭の中を覗いてみたいという大人の人にも観てほしいです。

でも、まずは子どもがこの話を理解して楽しんでくれたら、とても嬉しいです。これでいいんだよ、無理はするなよということを、うまく伝えてくれている気がするので。

大竹:これから大人になる中学生や、大人の一歩手前の子どもたち、その親御さんに観てほしいです。でも、二歳児だったら、それなりに「ヨロコビ!」とか言って喜んでもらえそうな感じもするので、大人も子供も楽しんでほしいです。本当に良い映画だと思っています。

 

いろんな世代の心に触れる感動ファンタジー『インサイド・ヘッド』。まずは、イマジネーションあふれる世界観に心が躍り、個性あふれる感情のキャラクターたちも実に愉快で楽しいです。そして、何よりも着地点が、子どもの成長を愛でる、懐の深い物語となっているので、特にパパやママ、お子さんにプッシュしたい1作です。

映画とお酒をこよなく愛するライター、時々編集者、なんちゃってカメラマン。名古屋の女性向けエリア情報誌でグルメ、旅物、珍スポット、珍体験特集まで幅広くこなした後に上京し、フリーに。現在は、映画のインタビューや記者会見などをメインに執筆。マイ・ベスト・ムービーと座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』