史実を知って物語の世界と見比べる

「現実と空想の狭間」の現実世界とは何なのでしょうか?

企画展第1章では、「さて、おはなしがはじまります」と題して、プーが生まれた背景を見ていきます。

「クマのプーさん」は1926年、続編「プー横丁にたった家」は1928年に、A.A.ミルンによってロンドンで発売されました。

彼は一人息子のクリストファー・ロビン・ミルンと、クリストファーのテディベアをモデルにして物語を書きました。

さらに物語の舞台である百町森(100エーカーの森)は、別荘があったロンドン郊外のアッシュダウン・フォレストがモデルです。

クリストファーは作中の遊び「プー棒投げ」について、自分が遊んだのが先か父が物語として創作したのが先かは覚えていないが、プー棒投げを実際に遊んでいたと語っています。

このように、プーとクリストファー・ロビンの冒険は現実なのか空想なのか曖昧なところにあるのです。

今回の企画展では、ミルン親子の写真や、ミルンの朗読音声、当時のテディベアやアッシュダウン・フォレストの写真など、プーの現実部分に触れられる貴重な資料が並んでいます。

そしてもう一つの写真に写っているのが挿絵画家E.H.シェパードです。

「クマのプーさん」シリーズの挿絵を全て描いたE.H.シェパードはミルンと同じロンドンで暮らしていました。

彼らは当時としては珍しく、文章と挿絵を一体的に表現しようと、念密に連絡を取り合って創作を進めていました。

E.H.シェパードは実際にコッチフォード・ファームを訪ね、クリストファー・ミルンやプーたちぬいぐるみ、アッシュダウン・フォレストの風景を正確に模写しました。

模写を元にして、物語のプーの世界を描いていったのです。

企画展このコーナーのポイントは、シェパードが正確に模写したぬいぐるみたちやアッシュダウン・フォレストの風景。

動きのないぬいぐるみや、念密な草木の描写が、後の挿絵でどのように変化していくのか注目してみてください。

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