もう……ダメだ……。耐えきれずリタイア扉へ――。

残念ながら途中退場となった。これまでの「戦慄迷宮」では2割ほどの人がリタイアするという。

ガックリと疲れ切った様子の参加者に
感想を聞いてみた。

「刺激があっておもしろかった!! 安心しきったところで、驚かされるのが怖かった」

「音とか、お化けも怖かった。あの看護師さんは最強ですね。最後まで行きたかったー!」

「お化けがでてきそうと思うと、逆のところからでてくるので、ホントに怖い!! ほぼ全部怖かった。お化けの声がリアル。近くまで寄って来るのがたまらなかった。恐怖で疲れた~」

と反応はさまざま。疲れてはいるものの意外にも面白かったようだ。

爽やか企画担当者にインタビュー。

「自分がされて嫌なことをお化け屋敷に詰め込んだ」

このお化け屋敷を企画したという、富士急行株式会社 企画部企画課の古屋さんにお話を伺った。あんな恐いものを作り出しているなんて、この優しげで爽やかな笑顔からは想像できない。

――お化け屋敷は好きですか?

お化け屋敷、大嫌いです。ホラー映画も嫌いです。イヤなんですけど、仕事柄しょうがなく、日本中のお化け屋敷には行っています。視察や、こうしたリニューアルのチェックにも行かなきゃいけないんですけど、後輩を連れて行って先に歩いてもらって、後ろからしがみついて入ります。

――古屋さんのイチオシと、なぜそれを企画したのかを教えてください。

今回の目玉の「暗闇通路」です。長野県の善光寺でお戒壇めぐりを体験したんですが、真っ暗なところを手探りで通るんです。それがとにかく怖くて。

お寺にそういう空間があるって怖いじゃないですか。病院もそうなったら最悪だなと思って。じゃあそれを取り入れようと思って作りました(爽やかにほほ笑む)。

――ご自分がイヤだと思うことを取り入れたんですか?

そうです。あと私は閉所恐怖症なので、閉じ込められるのがすごく怖いんです。じゃあ閉じ込めようって。そこから「監禁部屋」を考えました。基本的に自分がされて嫌なことをやっています(ニッコリ)。

――他はどんなところがポイントですか?

いろんなところに死角をつくっています。見えない部分は、何かがでてきそうな怖さがあります。実際に、そこから本当にでてくることもあります。廃院内には、死体役の人形がたくさんありますが、本当に人形かどうかも確かめてみてください。動きだすかもしれませんよ。

なるほど、確かに人形かと思ったらお化けが動いていたし、怖かった……。それにしてもあのホラーハラスメントが、お化け嫌いの発想から産まれていたとは驚きだった。

いや、あの爽やかなイケメンがこんなに恐ろしいお化け屋敷を作り出すなんて、それはそれで怖い気もする……。