(左から)細田守監督、宮崎あおい、染谷将太

 映画『バケモノの子』の大ヒット記念・渋谷凱旋(がいせん)舞台あいさつが29日、東京都内で行われ、声優を務めた宮崎あおい、染谷将太、細田守監督が出席した。

 この映画は、バケモノと少年・九太の奇妙な師弟関係を軸に、バケモノたちのすむ異世界での修業と冒険や、リアルな渋谷の街を舞台にしたアクションなどを描く冒険活劇。宮崎は九太の少年期、染谷は青年期の声を演じた。

 細田監督と『おおかみこどもの雨と雪』に続いてタッグを組んだ宮崎は、今回アニメーションを制作した「スタジオ地図」を見学して、「アニメが作られる過程を初めて見ました。監督が1人で描いた500枚もの絵コンテがそこで形にされていって…」と感激した様子。

 そんな宮崎から「たくさんある工程の中で何が一番大変ですか?」と質問された監督は「企画ですね。どんな内容なら面白いか、お客さんと気持ちを共有できるのか、手掛かりが何もない中(題材を)一個に決めるのが本当に大変」と苦労を吐露。一方で「やはり映画は1人ではできない。才能あるスタッフ、素晴らしいキャストに恵まれて、1人で考えていたことがちっぽけに思えるぐらい作品が広がっていく、その姿を見るとワクワクします」と映画作りの醍醐味(だいごみ)を語った。

 また染谷から「アフレコの演出で一番大切にしていることは?」と尋ねられた田監督は「染谷君はすごく勘のいい人で、この場面で九太ってどんな声を出すのかな、というところでの幅とチョイスが面白い。あおいさんもすごい表現者で僕につくる楽しみをもたらしてくれた」とあらためて2人を絶賛。「答えになってないな…」と笑う監督に、染谷も「すてきなうれしい話です」とはにかんだ表情を見せた。