ラ・フォル・ジュルネ-TOKYO-2019記者会見より ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019 記者会見より

ゴールデンウイークのクラシックイベントとして15回目を迎える「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」の概要発表の記者会見が2月15日に開催。運営委員長の梶本眞秀、アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン、アンバサダーを務める別所哲也らが出席した。

平成からの改元に伴う10連休のさなかの5月3日、4日、5日の3日間の日程で開催される今年のラ・フォル・ジュルネ(以下LFJ)。テーマは「Carnets de voyage ボヤージュ――旅から生まれた音楽(ものがたり)」で、324公演(うち有料公演は124公演)が東京国際フォーラムとその近辺で行なわれる予定で、約42万人の動員が見込まれる。

「Carnets de voyage」は直訳すれば「旅の小さな手帳」。マルタンは「旅をしていて作曲家たちは、素晴らしい風景に出会ったとき、手帳を取り出し感動をメモし、多くの作家たちは、手帳に絵を描き、隣に短い文章を添えるものです」とその趣旨を説明。モーツァルトにハイドン、リスト、ベルリオーズにチャイコフスキー、サン=サーンス、ラヴェルなど「旅」を通じて名曲を生み出してきた偉大な音楽家たちの作品が演奏される。

アーティストではアナスタシア・コベキナ(チェロ)、ディアナ・ティシチェンコ(ヴァイオリン)、日本人では神尾真由子(ヴァイオリン)、毛利文香(ヴァイオリン)らがLFJ初登場! また、早熟の天才としてフランスで話題沸騰のピアニスト、マリー=アンジュ・グッチも昨年に続き登場する。「LFJ2006」で話題を呼んだディーヴァ・オペラも復活! オーケストラの代わりにピアノを用いて、モーツァルトの「後宮からの誘拐」が上演される。

別所は、アンバサダーに加えて、「グランド・ツアー ~ヨーロッパをめぐる旅~」に出演。18世紀の英国の若き貴族が見聞を広めるために各地を旅したという“グランド・ツアー”に関する書簡に着想を得て、別所が英国貴族に扮し、演奏に乗せて朗読を行なう。開催に先立ち“本家”フランス・ナントのLFJに足を運んだという別所は「心の旅路、成長の旅が音楽と共にどう紡ぎ出されるのか? 僕自身俳優として楽しみにしています」と意気込みを口にした。

家族で楽しめるイベントとして「0歳からのコンサート」「キッズのためのオーケストラ・コンサート」、子どもたちが全身で音楽を楽しむワークショップ「こどもたちの音楽アトリエ」も開催。今年ならではのトピックとして、LFJオリジナル盆踊りの“フォル盆”が制作されるほか、4人の若きピアニストを描く映画『蜜蜂と遠雷』とのタイアップも決定。劇中のピアノを福間洸太朗、金子三勇士が演奏し、劇中の楽曲「春と修羅」を藤倉大が手掛けており、この3名が出演する公演をまとめてお得に購入できるノベルティ付きセット券が販売される。(東京国際フォーラム地上広場ボックスオフィスのみの限定販売)

「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」は5月3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)に開催。

取材・文:黒豆直樹