ロボット掃除機頂上対決! リビングダイニングで実力を比較

2015.7.31 13:21配信
(左上から)「ルーロ MC-RS1」「トルネオロボ VC-RCX1」「ルンバ 885」

家電量販店の店頭にずらりと並ぶロボット掃除機。忙しい日々を送る家族を、毎日の掃除機がけから解放してくれる実力派の人気家電だ。ロボット掃除機は留守の間に使うことが多いだけに、安心して使えて満足度も高いモデルを選びたい。そこで、いま注目の3モデルの実力テストを実施した。

●いま注目の3モデルがリビングダイニングでガチンコ対決!

今回テストに使ったのは、ロボット掃除機の代名詞、アイロボットの「ルンバ 885」、クリーナーメーカーの雄、東芝の「トルネオロボ VC-RCX1」、円形の製品が多いなか、三角形のデザインを採用したパナソニックの「ルーロ MC-RS1」の3モデルだ。

「ルンバ 885」は、ロボット専業メーカーが開発した超実力派のロボット掃除機だ。基本性能が高く、段差や障害物にも強い。「トルネオロボ VC-RCX1」は、本体に集めたゴミを充電器のダストステーションで充電時に吸い取るという便利な機構を持つ。「ルーロ MC-RS1」は、微細なゴミも検知する「ハウスダスト発見センサー」を搭載し、ゴミの量に応じて走行スピードを変化させたり、往復走行したりする。

カタログなどで各モデルのスペックや特徴を調べることはできるが、実環境でどれだけ掃除ができるか試してみないとわからない。そこで、一般的な家具のある約28畳の広いリビングダイニングで、3モデルをそれぞれ1時間ずつ掃除させ、その動きや清掃能力をチェックした。

清掃能力を確かめるため、ゴミが溜まりやすい場所にゴミに見立てたものを散布した。具体的には、部屋の隅に溜まりやすいゴミを想定して、壁ぎわ、窓ぎわに青い砂を50g、パンくずなどの食事で出る粉ゴミを想定して、リビングテーブルのまわりに赤い砂を50g、ソファや家具の下に溜まりやすい綿ぼこりを想定して細かくちぎった綿を、じゅうたんの上には黄色の砂50gと髪の毛を想定して20cmの長さに切った赤い糸をまいた。

●ロボット掃除機の“賢さ”をチェック 部屋中をくまなく動くか

ゴミを取り込む清掃能力が高くても、ゴミが溜まりやすい場所に行ってくれなくては部屋はきれいにならない。3モデルの掃除中の動きとして、壁ぎわやダイニングテーブルの椅子の下、ソファの下などを掃除できるかを比較した。

3モデルとも、角度を何度も変えて進むことで掃除が完了するまでに何度か通って最終的にはきれいに掃除するというしくみ。ゴミの量や場所に応じて臨機応変に走行パターンを変えて掃除するという頭のよさが、今回取り上げたようなハイエンドモデルの特徴だ。

走行音の大きさには3モデルとも大きな違いはないが、東芝の「トルネオロボ」のみ、やや駆動音が抑えられる「マナー」モードがある。ただし留守中に使うことがほとんどのため、現実的には走行音の差はあまり気にならないだろう。

【ルンバ 885】

平均4回、さまざまな角度で走行する。進行方向の段差を検知して落下を自動回避するほか、付属品の「お部屋ナビ」を設置すると、仮想の壁を作って階段への進入を禁止したり、部屋の境目を指定して効率よく複数の部屋を掃除することもできる。

サイドブラシを1本備えているが、このサイドブラシをうまく使って部屋の角や壁ぎわなど隅々まで掃除していた。カーテン下までぐいぐい進んで最もゴミを多く取った。また、数十種類のセンサーを駆使し、テーブルや椅子などの脚に沿ってていねいに回り込む。ゴミが多い場所を検知すると、引き返して念入りに掃除しなおした。また、約2cmの段差まで乗り越えられ、狭い場所などにはまってしまったときも脱出する能力が高い。正常に掃除を完了してくれる率が3機種中最も高かった。

【トルネオロボ VC-RCX1】

超音波センサーと赤外線センサーを搭載し、約7cm以上の段差は検知して引き返して落下を回避する。走行中に右回りと左回りを切り替えて平均4回、さまざまな角度で走行する。また、別売りで、仮想フェンスを実現する「バーチャルガード」や本体内蔵のカメラで撮影する場所を指定する「フォトポインター」が用意されている。

壁ぎわに沿ってまっすぐ進むなど、通った場所はしっかり掃除できる。大きめの本体だが意外にも隅にも強い。ただし、本体のアーム部分にカーテンの裾がひっかかったり、走行中にコードがからまったりするなどのトラブルで、停止する回数がやや多かった。部屋との相性があるようだ。

テーブルの下や椅子の下では、脚まわりをぐるっと動いたりゴミの多い場所で旋回したりと工夫が見られた。狭い場所にははまらないよう、センサーが検知して入らなかった。

【ルーロ MC-RS1】

部屋の壁ぎわをぐるりと走行する方式と、ランダムに走行する方式を使い分けて掃除する。また、複数の部屋を、指定したエリアから掃除する「エリアメモリー機能」を搭載している。

走行は安定していて、トラブルで止まることも比較的少なく優秀だ。ただし意外にも部屋の隅や壁ぎわなどではうまく入り込めない場面が多かった。家具には触る程度のソフトな動作。椅子の脚まわりなどでは、やや小さめの本体を活かして大回りに掃除できる。ただし、小回りが利きすぎてか狭い場所にはまってしまい、出られず停止する場面も見られた。

また、スペックでは段差は20mmまで乗り越えられるとされているが、実際は「ルンバ」や「トルネオロボ」が乗り越えた場所をルーロが乗り越えられないケースもあった。床面の材質にもよるようだ。

●どれだけゴミを取り、きれいにするか、清掃能力をチェック

各モデルがどのぐらいゴミを取り除けるか、清掃能力を比較した。吸い込み口の大きさ、サイドブラシの働き、ダストボックスの大きさ、取れたゴミの種類、ブラシへのからまり、そしてメンテナンスも含めて比較する。

【ルンバ 885】

吸込口が最も大きく、特殊素材のローラーが2本1組で回転して、毛足の長いじゅうたんからも強力にゴミをかき取る。サイドブラシは1本で主に壁ぎわを掃除するときに使用する。

また、ダストボックスが一番大きく、取れたゴミの量がほかの2機種の倍程度(約100g)と圧倒的。容量にはまだまだ余裕があり、ゴミ捨ての回数が少なくてすむ。テーブル下の赤い砂や、壁ぎわの青い砂だけでなく、じゅうたん上の黄色の砂や糸くずまで、偏りなく取れていたのはルンバだけだった。

なにより特筆すべきは吸込口のローラーだ。根元に1~2本糸がからまる程度と、ほぼメンテナンスフリー。ほかの機種が従来の掃除機と同じように回転ブラシに毛がからまることを考えると、ペットのいる家庭ではルンバ一択だろう。ダストボックスの手入れも簡単で、エアダスターを使うとさらに簡単に手入れできる。バッテリーはリチウムイオン電池(iRobot Li-ion リチウムイオンバッテリー)で、バッテリー寿命は約6年。充電時間は約3時間だ。

【トルネオロボ VC-RCX1】

キャニスター型掃除機が採用しているような回転ブラシを1本備える。吸込口は大きめで、ルンバよりやや小さい程度。掃除は十分パワフルなのだが、吸込口の先で綿ぼこりがやや詰まりやすいようだ。

壁ぎわや窓ぎわなどの隅に強く、青い砂をよく取っていた。糸くずもよく取ったが、回転ブラシにからまりやすい。じゅうたんの黄色の砂は少なめだった。ダストボックスの容量は大きいのだが、テスト中に綿ぼこりがダストボックス手前に詰まり、吸引しないまま動作を続けたため、時間内で停止して綿ぼこりを一度取り除いている。最終的な取れたゴミ容量は約57gだった。

メンテナンス面では、回転ブラシに糸がかなり強くからまるので、髪の長い家族がいる家庭は都度、ハサミでカットする必要がある。ダストステーションに本体のダストボックスに溜まったゴミを吸い出す機能がある。掃除が終わり、ダストステーションに戻ったときにゴミが回収されるので、ゴミ捨ての回数を減らすことができる。ただし、吸込口奥の綿ぼこりはダストステーションで吸引しても取れないことがあるので注意したい。

フィルターやダストカップは水洗いできるので、すっきり手入れできる。バッテリーは高性能リチウムイオン電池で、充電サイクルは1100回程度。約3年使用できる。充電時間は約5時間。

【ルーロ MC-RS1】

キャニスター型掃除機が採用してるような回転ブラシを1本備える。この回転ブラシは大きいが、実は吸込口はかなり小さい。長めのサイドブラシが前面左右に2本あり、このサイドブラシが、うまく吸込口にゴミを集めている。

ダストボックスは小さめで、今回取れたゴミ量は約61g。掃除中にダストボックスがいっぱいになって停止した。逆にいえば、ゴミ容量自体がほかの機種よりも少ないものの、容量いっぱいまでは吸引し、集めたゴミを吹き出すようなことはない。

取れたゴミを見ると、赤い砂が多く、ダイニングテーブルまわりがよく取れているのがわかる。小回りが利くことが影響したようだ。壁ぎわの青い砂や、じゅうたんの黄色の砂は少なめ。糸くずはあまり取れていなかった。

メンテナンスの面では、ダストボックスが小さいので掃除のたびにゴミを捨てる必要がある。また、回転ブラシに糸くずや綿ぼこりがからまりやすいので、こまめな手入れが必要だ。

ダストボックスの小型フィルターは掃除用のブラシが付属しているが、手入れは初期のサイクロンのようでやや面倒に感じた。バッテリーは高効率のリチウムイオン電池で充電サイクル約1500回。毎日使用して約4年程度使用できる計算になる。充電時間は約3時間。

●各モデルのゴミの取り方をチェック

各モデルの動きや、清掃能力はチェックできた。さらに、ちょっと変わった比較もしてみた。そもそもロボット掃除機はどのようにしてゴミを取っているのだろうか。3モデルをガラスの板に乗せ、ゴミを取る様子を調べた。

3モデルの底面を比較すると、3モデルとも大きめの車輪二つと、吸込口、サイドブラシを搭載している点は共通だ。ゴミを取るにはサイドブラシと回転ブラシ、そして吸込口の連動がポイントになる。

【ルンバ 885】

吸込口には特殊素材のローラーを2本1組で搭載している。ローラーの表面は菱形状の凹凸があり、外側から中央にかきよせて床面との間を密閉空間に保ち、大量のゴミも勢いよく吸い取っている。サイドブラシは壁ぎわや隅のゴミをかき出し、吸込口にゴミを集めている。吸込口は可動式で、床材に合わせて自動的に角度を調整していた。

また、一度通るだけで十分きれいになるのだが、繰り返し通ることでさらにゴミを取り残さない。

【トルネオロボ VC-RCX1】

吸込口が本体のやや後部にある。構造は東芝の一般的な掃除機のヘッドに似ているが、この吸込口全体が可動式で、床の種類に合わせて高さが調整されるのが特徴。

サイドブラシと回転ブラシのコンビネーションは非常によく、サイドブラシでかき集めたゴミを回転ブラシが一気に吸い込む。しかし、底面に排気口があるため、ゴミがいっぱいになると停止せずにそこからゴミがまた出てくるという場面もあった。またサイドブラシは壁ぎわではとても効果が高いが、平面だと、掃除した場所にかえってゴミを飛ばす場面も見られた。

【ルーロ MC-RS1】

吸込口の構造は一般的な掃除機とよく似ており、パナソニックの一般的な掃除機のヘッドにも採用されているV字ブラシや、フローリングにふき掃除の効果を出すというマイナスイオンプレートを搭載する。

前面の両端にある2本の大きなサイドブラシが両手のように動いて、小さめの吸込口へゴミを集めて効率よく掃除している。また、壁ぎわなどでは左右に頭を振って念入りに掃除する動作をする。全体的に動作が安定しているので、部屋のゴミが少量であればそれほどストレスなく使える。

●ロボット掃除機は「総合力」で選ぶ

最後に、各モデルの特徴を振り返り、総括しよう。

【ルンバ 885】

清掃能力が高く、賢さもピカイチ。トラブルで止まる頻度も少ないので、結果的に取れるゴミの量がダントツに多かった。さらに3色の砂、綿、糸と、全ての種類のゴミをまんべんなくピックアップできていた。これは部屋をくまなく掃除できているということだ。見慣れない形の特殊素材のローラーはぱっと見頼りなく感じるのだが、実際はこれまで以上にキレイに掃除でき、なによりメンテナンスの簡単さに驚かされた。質実剛健な1台だ。

【トルネオロボ VC-RCX1】

かなりパワフル。回転ブラシの完成度の高さや、フィルターやダストボックスのまるごと水洗いが可能な部分などからは、一般的な掃除機での経験値の高さを感じられる。また、ダストステーションでのゴミの回収や、カメラの内蔵などオリジナリティもある。ただし十分に性能を発揮できる環境と止まりやすい環境があった。

【ルーロ MC-RS1】

清掃能力は必要十分で、安定感もかなり高かった。本体は小型だが長めのサイドブラシの働きが良く、回転ブラシの完成度も高い。フィルターやダストボックスも水洗い可能だ。ずっとパナソニックの掃除機を気に入って使っていて、ロボット掃除機を導入したいという人には違和感なく使えるはずだ。ただし、ダストボックスが小さいため毎回のゴミ捨てが必須。

【総括】

そして、この3機種の実環境でのテストで明確になったのは、ロボット掃除機の「総合力」の大切さだ。清掃能力だけでも、隅への対応能力だけでも掃除はうまくいかない。バランスの良い機種が結果的に一番うまく掃除を完了してくれるし、使い続けやすいのだ。

たとえば、今回のテスト中、狭い場所にはまって動けなくなったり、ダストボックスの容量はまだまだあるのに早々に綿ぼこりが詰まったりとトラブルで性能を発揮できないケースがあった。

途中で止まらずに毎日性能通りに掃除してくれるという基本性能が実は高度なものだということがよくわかる。実際の住環境には今回テストした環境以上に、ロボット掃除機の障害となるものが多数ある。ロボット掃除機選びでは、トラブルの少なさや対応能力の高さにも注目すると、間違いのないロボット掃除機選びができるだろう。

そういった点で、最も総合力が高かったのが「ルンバ 885」だ。どんな環境でも満足行く結果が出るのがこのルンバの最大の特徴。ロボットメーカーならではの賢さ、ロボット掃除機での経験値の高さが作りや動きに生かされている。パワフルでメンテナンスフリー。トラブルが発生しにくい、頼りになる1台だ。

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