音源をビジュアル化してコントロール! 音楽ソフト「R-MIX」を試した

2012.3.16 12:28配信
3月16日発売のローランドの「R-MIX」

3月16日、ローランドが音楽ソフト「R-MIX」を発売した。「R-MIX」は、楽曲のテンポやピッチを変えたり、ボーカルやギターなど、楽曲の中の一部の音源だけを取り出したり、逆に消したりできるソフト。視覚化したオーディオ信号を見ながら、豊富な機能を直感的に操作できるので、音楽の知識や経験がない人でも簡単に使うことができる。「R-MIX」を実際に使って、その活用法をいくつか紹介しよう。

「R-MIX」は、楽曲を音の高さ、音の聞こえる方向、音量のパラメータで解析して、楽曲を構成する楽器の音をグラフィカルに表示する。音質を保ったまま、任意の楽器音だけを切り出したり、消去したり、音の聞こえる方向(定位)や音量バランスを変えたりできる。また、再生スピードや音の高低も独立して調整できる。

例えば、音楽ファイルのボーカルだけを消してカラオケにしたり、キーを合わせて練習したり、楽器を演奏する人なら、楽曲を聴いたままに楽器で再現する「耳コピー」をしたり、自分のパートだけを消して演奏に加わったりできる。

●周波数や左右バランスで楽器やボーカルを特定

一般的な音楽ファイル編集ソフトでも、ボーカルや各楽器をそれぞれ取り出して消したり、エフェクトをかけたりはできる。しかし、各楽器ごとに音がトラックに分けられているうえに、複数のトラックを調整する必要があって、初心者にはなかなか難しい。

「R-MIX」は、真ん中にある画面「ハーモニック・プレースメント」に楽曲を構成する楽器音を点で表示する。点の色は音の強弱を表し、白が最も強く、次いで赤、青の順序で音が弱くなる。点の位置は、音が聞こえる方向を表している。

たいていの楽曲は、ボーカルが中央、リスナーの正面から聞こえるように設定され、楽器がそれを囲んでいる。ボーカルや楽器の場所に赤枠を合わせて「ハーモニック・プレースメント」の左右にあるゲージのレベルを変更すると、枠内(INSIDE)の音、または枠外(OUTSIDE)の音を消すことができる。右側のゲージが枠外の音で、左が枠内だ。

枠内や枠外のゲージのレベルを下げると、「ハーモニック・プレースメント」の映像が変化し、枠内の音が出力されているのか、枠外の音が出力されているのかがひと目でわかる。

さらに左上の「EFFECT」のプルダウンメニューから音響効果を選ぶと、枠内の音だけにその効果を追加できる。例えば、伴奏は普通の音響のまま、ボーカルだけエコーをかけることも簡単だ。

ほかにも拍節の速さを調整する「TEMPO」やキーの高さを変える「PITCH」、左右どちら寄りで音を鳴らすかを選ぶ「PAN」などの機能をもつ。

●ちょっと使い方を工夫すればもっと楽しくなる

トラックは二つあるので、これを使って曲をつなげることができる。二つの曲を読み込んでテンポを合わせるだけで、リミックス曲の完成だ。また、二つの曲の終わりと始まりを少し重ね、1曲目の終わりをフェードアウトし、2曲目をフェードインすると、自然な感じのメドレー曲にすることができる。

音の高さを変える「PITCH」を利用した楽しみもある。ボーカルが入った曲の「PITCH」を変えると声質が変化するので、例えば一青窈の声が、平井堅が歌っているように聞こえるという遊びもできる。基本的に、男性ボーカルの「PITCH」を上げると女性ボーカルに、女性ボーカルの「PITCH」を下げると男性ボーカルになる。

トラックの先頭にカーソルを合わせると、ポインタが「IN」に変化する。このときにドラッグすると、曲の始まりを変えることができる。同様に最後にカーソルを合わせると「OUT」に変化し、曲の終わりを変えることもできる。この機能を使えば、サビだけのファイルをつくることができ、スマートフォンに入れればオリジナルの「着うた」になる。

仕事でボイスレコーダーを使っている人に、ありがたい機能がある。それがノイズキャンセリング機能だ。ボイスレコーダーには、音声以外にも、外部の声やさまざまな動作音など雑音が入り、肝心の声が聞き取りにくくなることがある。「NOISE CANSEL」機能で、それらの雑音を軽減し、明瞭な言葉で音声を確認できる。

「R-MIX」にはPCソフトだけでなく、iPad用アプリ「R-MIX Tab」もある。PC版の簡易版で、データの書き出しができないなど、機能は限定されるが、iPadならではの手軽さで楽しめる。価格は850円。

ライブ録音した楽曲のバランス調整や高音、中音、低音などに分けてそれぞれのボリュームを調整するイコライジング、ノイズ処理など、ハイアマチュアが使っても満足できるレベルの「R-MIX」。自分なりのリミックス曲やエフェクト処理をかけた曲をつくって、動画共有サイトにアップする楽しみもある。なお、読込み/書込みに対応する音楽ファイルはWAVのみ。携帯オーディオやスマートフォンに楽曲を保存するなら、iTunesなどでMP3やAACに変換しよう。

とにかく機能は盛りだくさんだが、操作は本当に簡単。遊びでも本気でも使えるうえに、音楽ファイル編集ソフトとしては低価格。試してみる価値は十分だ。(デジタルライター・岡安 学)

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