日立の理美容が前年比180%、インバウンドで好調の商品戦略に迫る

2015.7.31 19:35配信
エステ家電事業を指揮する日立コンシューマ・マーケティング、リビングサプライの須藤祐美子部長代理

日立製作所は2016年3月期の第1四半期の決算発表で、インバウンド(訪日外国人)関連商品の売上高が、この上半期で昨年実績を超える見通しであることを明らかにした。好調なインバウンド向けのメーン製品はIHジャー炊飯器や理美容家電だが、実際に日立のエステ家電事業の第1四半期の売上高は、前年同期比180%と絶好調。しかも、高付加価値モデルが圧倒的に売れているという。

●上位モデルが売れる三つの理由

日立がエステ家電事業に参入したのは2008年6月。最初は顔の汚れを落とすクレンジング機能に特化した「フェイスクリエ」だけだった。翌年には、冷却による毛穴の引き締めまでケアできる高付加価値モデルの「ハダクリエ」シリーズを投入。12年には、出荷ベースで「フェイスクリエ」を逆転した。その後も「ハダクリエ」の快進撃はとどまることなく、累計出荷台数は15年6月末時点で約70万台を超えた。海外市場も入れると4月末時点で約80万台になるという。一方のフェイスクリエは約27万台だ。

高付加価値モデルの販売が好調な理由について、須藤部長代理は女性の時短ニーズにマッチしたことと、品質へのこだわり、普段使っている化粧水が使えることの三つを挙げる。

「N3000」はクレンジングから保湿ケア、マスク、毛穴の引き締めまでの四つのステップがわずか11分間で完了する。働く女性が増える中、短時間でしっかりと美顔ケアができる「時短」は外せなかった。品質面では、顔に直接当たる「温熱ヘッド」という部分に、チタン材を使うことにこだわった。

「ハダクリエ」は、温熱ヘッドにプラスの微弱電流を流すことで、マイナスに帯電する微粒子レベルの肌の奥の汚れを引き出す「イオンクレンジング方式」を採用している。肌に当たる部材に品質の悪いものを使うとイオン化して成分が溶けだして金属アレルギーなどにつながる。そうならないために、イオン化しにくいチタン材を使っている。しかも「チタンコーティングのようにチタンを薄く引き伸ばすのではなく、チタン材そのものを使っている。女性のデリケートな肌を考えてのことです」と須藤部長代理はチタンへのこだわりについて語る。

最後の普段使っている化粧水がそのまま使えるのも大きい。保湿ケアでは、温熱ヘッドにマイナスの微弱電流を流すことで、化粧水などを肌にしみこませる。この保湿ケアで使う化粧水やシートマスク、乳液が、普段使っているもので大丈夫なのだ。使い方も簡単。付属のリングで温熱ヘッドにコットンを取り付けて、そこに化粧水などをたっぷりしみこませてから肌に当てるだけだ。

日常的に使っている化粧水が使える点について須藤部長代理は「女性は試行錯誤を繰り返しながら、自分に一番フィットする化粧水や乳液を使っているはずですから」と語る。他社では美顔器専用の化粧水や乳液などを使うケースもあるが、日立では普段使いの化粧水の裏に隠された、女性がいろいろ使ってたどり着いた結果を、商品企画に反映させたというわけだ。

日立の決算発表会では、好調なインバウンド需要の獲得に向けて、IHジャ―炊飯器や美顔器の開発投資に力を注いでいきたいとする意欲が示された。エステ家電事業をけん引する「ハダクリエ」の快進撃はしばらく続きそうだ。(BCN・細田 立圭志)

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