オマール海老、そして絶品黒毛和牛サーロインで昇天!

続いては「オマール海老のカダイフ包み」。きましたオマール海老です。不勉強でオマールの意味は知りませんがとにかくあのオマール海老です。

パリパリサクサクのカダイフ生地で包まれ鉄板で熱された大ぶりのオマール海老を口に含むと……んがあ! うまい!!

“海老が甘い”ってよく言うけど……って先ほどと同じことを言っている気がしますが、いや、海老ってこんなに濃厚な味がするものなの!? と驚きました。いつも食べている海老を1とするなら、この海老は150くらいの味の濃さ(個人の体感値です)。すごい。すごいぞ鉄板焼き。素材の味を存分に引き出し、堪能できるのが鉄板焼きなのですね。

さあ、次はついにお待ちかねの御大「黒毛和牛サーロインステーキ」の登場です。

実は席についたときから、常温に戻すため鉄板付近に鎮座していたお肉。きれいな身のピンクと、そこに散りばめられた脂身の白のコントラストが、「これから俺は肉を食うのだ」という気持ちをこれでもかと煽っていきます。

美しい断面を見ているだけで昇天しそうになるのを抑えながら、口に含んで、ひと噛み。とたんに、やわらかな肉からジュワッと極上の脂が溢れ出てきます。これはすごい体験です。

最近ではヘルシー志向の赤身肉なども人気となっており、まあそれはそれでよいものですが、やはりこの、すべてをとろけさせるような極上の脂こそ肉の魅力でしょう!! コースが始まってからこれしか言っていませんが、すでにボキャブラリーも限界に達しているのでやはりこの言葉を使います。本当に、本当にうまい……!!!

この極上のお肉にも、笹繁のこだわりが込められています。富松さん曰く、以前は固定のブランド牛を仕入れていたそうですが、現在はその時々でもっともよい牛肉を、業者さんとやり取りしながら仕入れているのだそうです。

ブランド牛のネームバリューでお客さんを集めるのではなく、そのときいちばんおいしい肉をその都度仕入れることで、素材のクオリティとコストパフォーマンスを両立させている――これってお客側としてはうれしい限りですよね。業者さんとの固い信頼関係があってこそなし得ることと言えるでしょう。この日は島根の「松永牛」をいただきました。