ホウ・シャオシェン監督(左)と忽那汐里

 映画『黒衣の刺客』の来日記者会見が3日、東京都内で行われ、ホウ・シャオシェン監督、出演者の忽那汐里が出席した。

 シャオシェン監督にとって8年ぶりの作品となる本作は、唐代の中国を舞台に、数奇な運命に翻弄(ほんろう)されながらも力強く生きる女性刺客(スー・チー)を描く。窮地に追い込まれた彼女を助ける日本人青年を妻夫木聡が演じ、忽那はその妻を演じた。

 忽那の登場場面は5年前に撮影された。忽那は「(自分の)撮影の後は、どの辺まで撮影が進んでいるのか分からない状況で、とても待ち遠しくて。やっと完成品を見ることができて、日本の皆さんにも見ていただけるので私自身も楽しみにしています」と喜んだ。

 シャオシェン監督の作品に初参加したことについては「光栄という気持ちが一番です。とにかくいい経験をさせていただきました」と振り返り、「とても静かで無駄のない中にも研ぎ澄まされた芯の強いメッセージがあって、今の時代に多くの日本の方にこの作品を理解してもらえたらと心から思っています」とアピールした。

 忽那は、台本がない中で撮影されたと明かし、「初めて外国の監督との仕事を経験させていただいたのがこの作品。台本がなくアドリブのようなものが多い中、妻夫木さんは本当に慣れていて、流動的な現場で毎日引っ張ってもらったのが大きかった。現場の全ての方に助けていただきながらの日々でした」と撮影当時を振り返った。

 初対面となった5年前の初顔合わせについてシャオシェン監督は「彼女はとても賢い人だと思ったことを覚えています。非常に理解力があって優秀。お仕事をしたときも楽しくて、あっという間に撮影も終わりました」と語り、5年ぶりの再会には「すごく大きくなってきれいになっていたのでびっくりしました。オードリー・ヘプバーンのようだと思いました」と笑わせた。

 映画は9月12日から新宿ピカデリーほか全国ロードショー。