BCNランキングの単独取材に応えるファーウェイ・ジャパンの呉波副社長

ファーウェイ・ジャパン(華為技術日本)は年内に、ウェアラブル端末の新製品を日本市場に投入する。同社の端末事業を統括する呉波副社長が、BCNランキングの単独取材で明らかにした。新製品の詳細は明言していないが、今年3月にスペイン・バルセロナで開かれた「Mobile World Congress 2015(MWC)」で発表した「HUAWEI WATCH」と思われる。

ファーウェイは、2014年にリストバンド型の製品を投入したのを皮切りにウェアラブル市場に参入。呉副社長は「(2015年12月期)下半期に新しいウェアラブル端末を投入する」と、投入時期の言明は避けたが、「フラッグシップモデルだ」(同)と、日本のウェアラブル市場に一石を投じる製品であることを強調した。

MWCで公表した「HUAWEI WATCH」は、アップルが国内で4月に発売したスマートウォッチ「Apple Watch」に対抗するファーウェイのウェアラブル戦略の中核を担う製品だ。

報道によれば同製品は、Android端末でスマートフォン(スマホ)を補完するための機能を搭載する。Apple Watchと同様にセンサーを内蔵し、心拍数などを計測できるほか、スマホやスマートテレビなどのデバイスと連携する。Apple Watchより後発になるため、デザイン性や機能性などを工夫している。

呉副社長は「(日本市場では)サバイバルだ」との表現で、競合他社がひしめく中で、スマホ、タブレット、ウェアラブルのモバイルデバイス領域での生き残り戦略を進めている。製品ラインアップの数や価格で勝負するのではなく、質や機能性で「HUAWEI」のブランドを定着させ、ウェアラブル事業で高収益を確保する考えだ。

そのほかにも、「CAT12対応で、最大下りスピードは600Mbpsの端末をローンチ予定」(呉副社長)と、下半期中に新規性のある新端末も投入する見通し。この新端末がスマホであるのかタブレットであるのかは、明言していない。BCNが家電量販店などデジタル家電のPOSデータをもとにした実売統計によると、この7月は、SIMフリースマホのカテゴリーでファーウェイがシェア30.2%を占めトップになっている。2位はLGエレクトロニクスの27.0%、3位はASUSの17.8%と上位3社による首位争いが激しい。(BCN・谷畑良胤)