ポイントで知る美しく食べるコツ 【煮魚 編】

キンキの煮つけ(時価)。みりんを煮詰めて使うため、ほど良い甘辛味で人気の一品。身はとろけるほどやわらか。

甘辛醤油味の煮魚はしみじみとおいしいもの。身がやわらかく崩れやすいので、箸で軽くつまむように挟んで。崩れた身はその都度食べておくと、お皿や煮汁が汚くならない。

御頭付きの煮魚は、焼き魚と同じ食べ方で

尾頭付きの煮魚も、焼き魚とほぼ同じように下記1~5の順に食べる。なお、頭にはおいしい肉が詰まっているので、食べるのをお忘れなく。

1 まずヒレを取る
2 中骨に沿って身に箸を入れる
3 頭の後ろから尾へ食べ進む
4 中骨を持ち上げてから骨をはずす
5 骨やヒレは皿のふちへ

煮魚を食べるときは「3つのコツ」で美しく!

小技1 涙箸にならないよう、煮汁を絞ってから口へ

涙箸とは箸先から汁を垂らすこと。見ていて美しくないので注意したい。煮汁と皿の境目で、汁気を切ってから口に運ぶと良い。皿の縁で煮汁を絞る方法もあるが、皿が汚れて美しくない。

小技2 身が崩れてしまったら、箸で集めていただく

身が崩れたら箸で集め、その都度食べると良い。焼き魚は最後にまとめて崩れた身を食べられるが、煮魚は煮汁の中に身が散らばってしまうので、その都度食べておくと、煮汁も美しいまま。

小技3 小骨が口に残ったら、手元で隠して美しく

魚の骨が口の中に残ったら、手で口元を隠して箸で取り出す。手を添える際は、指先をのばすと美しく見える。間違っても指で骨をつまみ出さないように!

 

マナー監修 小倉朋子先生

株式会社トータルフード代表取締役、フードプロデューサー、亜細亜大学講師。トヨタ自動車や海外留学などを経て、現職。マナーや食育などをテーマにテレビ、ラジオに出演するほか、新聞、雑誌の連載や多数の著書を持つ。主な著書に『グルメ以前の食事作法の常識』(講談社)、『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、など。日本箸文化協会代表。

 

撮影協力 八重洲とよだ

東京駅前に佇む日本料理の老舗

1913年(大正2)創業の老舗で、代々受け継がれるモットーは「かしこまらない和食」。肩ひじ張らない雰囲気の中で、名物の「キンキの煮付け」など素材の持ち味を生かした和食が堪能できる。

中央区八重洲1-6-15 03(3271)9235 11:00~LO13:30/17:30~LO21:30 第2・第4土曜、日曜、祝日休 予約可 JRほか東京駅より徒歩約3分

もっとおいしい魚の店 首都圏版

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