周りに気を使いすぎる子
親から“人に迷惑をかけてはいけない”と言われ続けていると、「困ったときに人に助けを求めてはいけない」と思うようになります。
こんな例がありました。
- 暑い夏の日、喉が渇いて仕方ありません。洗面所は近くにありません。でも先生は忙しくしています。勇気を奮って「先生、お水飲みたい」の一言が出ない子どもでした。
- 苛めを受けている子。助けを求めたくても「親に心配をかけたくない」の気持ちで伝えることが出来ません。「ママ助けて、先生助けて」の一言が言えない子どもでした。
- 授業内容がわからない子。でも「こんなこと聞いておかしな人、非常識な人と思われはしないか」「恥ずかしい」とブレーキがかかってしまう子どもでした。
計算できない息子
私の息子は知的障害のある自閉症です。18歳ですが計算ができません。でも、私は「自分で買い物くらいできるように育てないと、周りに迷惑をかける」と思い、このように必死に家で教えていました。
でも、担任から「計算できなければ出来る人に頼めばいい。治安のよい国なのだから、レジの人に『僕はわからないので、このお財布から取ってください』と言えればよい。SOSを出す術を教えることの方が大切」と言われ、ハッと目が覚めました。
毎日、コンビニに寄り好きなお菓子を買ってきますが、計算できなくてもレジの人に助けてもらって買い物が出来ています。
高尚な子育て方針もほどほどに
子育てする上で「他人へ迷惑をかけないこと」を大切にする文化が日本にはあります。そして、子どものやりたい気持ちを押さえ、親が先回りして「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」と言いがちです。
でも、これが過度になってしまうと、子どもは親の顔色を見てOKサインが出ないと行動しない挑戦意欲のない子に育ってしまうこともあります。
高尚な子育て方針もほどほどの匙加減が大切だと思います。皆さんはどうお感じになりますか?
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