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そして、おそらく、雨宮にも、久利生にも、憧れの視点を投げかけている麻木にしてみれば、久利生の態度が、自分に対するのと、雨宮に対するのとでは、こうも違うのか、ということを目の当たりにするのが、今回のエピソードであったと思う。
 

その点で、おでん屋台で、久利生が麻木に「自分と雨宮、較べんな。いまの俺のパートナーはお前だろ」と言葉を紡ぐくだりは、そこに恋愛感情がないからこそ、久利生が麻木に対して「主導権」を握ることが可能なのだと見てとれる。

誰に対してもフラットである一方、検事ー事務官という関係性をひとつの軸としている久利生の像が浮かび上がるのだ。
 

おそらく、雨宮にしか見えない久利生がいて、麻木にしか見えない久利生がいる。それを想像しながら向き合えば、この映画はもっと「美味しくなる」だろう。