『日本のいちばん長い日』(C)2015「日本のいちばん長い日」製作委員会

明日、終戦記念日を迎える前に公開中の映画『日本のいちばん長い日』の9分にもおよぶ特別映像が公開になった。今から70年前の1945年の8月15日に日本で何が起こったのか? そこにいた人々は何を考え、何を想って行動したのかが伝わってくる映像だ。

『日本のいちばん長い日』特別映像

本作は、半藤一利氏のノンフィクションを映画化した作品で、太平洋戦争が終焉に向かう中で、日本の未来を想う人々がそれぞれの立場で行動し、戦後日本の行方を決めた“日本のいちばん長い日”の顛末を重厚なタッチで描き出している。

このほど公開された映像は、映画の概要を実際の本編映像を交えながら紹介し、阿南惟幾陸軍大臣を演じた役所広司、昭和天皇を演じた本木雅弘、鈴木貫太郎首相を演じた山崎努らが作品について語る。また、鈴木貫太郎首相の孫、鈴木道子さんと、阿南陸相の四男、阿南惟正さんの貴重なインタビューも収録されており、当時の様子がより立体的に感じられる内容になっている。

本作では、昭和天皇の聖断の後、日本の降伏を国民に伝えるために録音された玉音放送の記録媒体を巡って、クーデーターを計画する若い将校たちのドラマがスリリングなタッチで描かれるが、首相も大臣も将校もみな、それぞれの立場で“明日の日本”を想って命をかけて行動し、その想いがすれ違い、ぶつかり合う部分が最大のポイントだ。結果的に、玉音放送は国民の耳に届き、日本は降伏して終戦を迎えたが、そこにたどりつくまでにあったドラマ、かなわなかった想いがあったことは改めて語られるべきではないだろうか。

本作を手がけた原田眞人監督は映像の中で「戦後70年経って、終戦のときに何がどういう風に行われていたのか、ということが段々とぼかされてきている。一番重要なのは“軍をなくすことによってしか国を残せなかった”という意識。やはり歴史はちゃんと自分の目で、いろいろな資料をベースにしてもう一回検証しなおして、とにかく我々はどこから来て、どこへ行くのか、ということをちゃんと見定めてほしい」と力強く語りかけている。

『日本のいちばん長い日』
公開中