正攻法ではなく、違った角度で個性を発揮する

それどころか、その下の世代には、爆笑問題、さまぁ~ず、くりぃむしちゅー、ネプチューン、ナインティナイン、バナナマン、有吉弘行さんらが待っているのです。彼らの人気もすでに安定しており、例えベテラン世代が引退したとしても、次なる世代が活躍することは間違いないでしょう。

そんな層の厚い世代のさらに下にあるのが、「山里世代」なのです。彼らが自分たちの時代と言えるのは、まだまだ先に……。だからこそ、彼らは必死にもがき、他者とは違う表現方法でこのお笑い業界を生き抜こうとしているのです。

破天荒の看板を掲げた吉村さん、ファンに手を出すことを公言している村本さん、お笑いとは違うカテゴリで頭角を現した又吉さん、そして、他にも何かを発信すればすぐに炎上し「好感度低い芸人」1位にもなったことのあるキングコング西野さん。

先輩芸人を名指しで批判し謝罪をすることになった山里さん、熟女好きで売っているピース綾部さん、ラジオで本性を現し、鋭いコメントで周囲を驚かすオードリー若林さん……。

この世代の芸人は、正攻法ではなかなか売れることができないためか、違った角度で個性を発揮するようになったのです。

お笑い評論家として活動するラリー遠田さんも、この世代に注目しているようで、自著『逆襲する山里亮太 これからのお笑いをリードする7人の男たち』では、山里さんをはじめ、7人の芸人を取り上げて、その個性に迫っています。また、この世代がいま面白く、目が離せないとも言います。

「祭りはいつでも、始まる前が一番面白い。始まる前の何とも言えないワクワク感、高揚感に勝るものはない。(中略)山里世代は今が一番面白い。それぞれがいろいろたくらみながらバラバラに動き出している。何かが起こりそうで起こらないこの『革命前夜』こそが、一番注目すべき時期なのだ」(同書より)

キングコング、ピース、平成ノブシコブシ、NON STYLE、オードリー、ウーマンラッシュアワー、ナイツ、流れ星、そして山里亮太さんと、何かとエッジの効いた芸人が集まる「山里世代」。

山里さんは、「僕らの世代は全員小器用」と言いますが、随分と大胆な芸風が多いのは、私の気のせいでしょうか。皆さんはどう思いますか?

【書籍情報】『逆襲する山里亮太 これからのお笑いをリードする7人の男たち』ラリー遠田著 双葉社

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