最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラ

 「第42回日本アカデミー賞 授賞式」が1日、東京都内で行われ、最優秀主演男優賞に役所広司、最優秀主演女優賞に安藤サクラ、最優秀助演女優賞に故・樹木希林さん、最優秀助演男優賞に松坂桃李が選出され、最優秀作品賞は、是枝裕和監督の『万引き家族』が受賞した。

 出産後、初めての出演作となった『万引き家族』で受賞した安藤は、目から涙をこぼしながら「子育ては24時間、映画の現場も24時間、子育ても映画の現場でも全力を尽くしていかなければならない。私は、この二つをどうバランスを取ったらいいか、正直全く分りません」と葛藤を告白した。

 続けて、「でも、今日この場に来て、本当に素晴らしい先輩方の姿を見て、やっぱり私は映画の世界に憧れを抱いてしまうんだなって自覚しました。必ず自分の中で決着をつけて、また映画の世界に戻ってきたいです」と決意を語った。

 同じく『万引き家族』で受賞した樹木さんは、娘の内田也哉子が代理で登壇した。「生前母が口にしていた『時が来たら、誇りを持って脇にどけ』というのが、文字通り、今日をもってできると思います。58年の役者人生において、映画作りという真剣勝負の現場で、彼女の言動がときに人を傷つけたと思います。彼女に代わって、全ての映画関係者にお詫び申し上げます。本当に長い間お世話になりました」とスピーチした。

 『孤狼の血』で受賞した松坂は、ブロンズを授与されると声を震わせ、「本当にすごくうれしいです。僕にとって財産のような作品になりました。キャストやスタッフさんと、この受賞を分かち合いたいです」と喜びをかみしめた。

関連記事