日本のプログラミング教育は遅れている!

――日本は世界から見ると、プログラミング教育は遅れているほうでしょうか。

松林氏:学校教育という点では遅れをとっているのは確かです。ただ、NPOやプログラミング教室などの教育はそんなに遅れてはいないと思います。

――学校が遅れているから、NPOなどの団体が登場したということでしょうか。

松林氏:学校という既存のシステムの中に、プログラミング教育を組み込んでいくのはなかなか難しい面があります。

先生が「このブロックを置いてください」とただ指示して生徒がそれをなぞるだけの授業では何の意味もありません。

プログラミング教育は、音楽や美術といった授業により近い側面があります。

子どもたちが自主的に取り組める授業を実践している学校もありますが、割合としてはまだまだ少ないです。10年20年経てば変わっていくでしょう。

ですので、わが子が将来大人になった時のことを考えて、先駆けて体験させたいという保護者が、プログラミング教室に通わせているのかもしれません。

レゴ『マインドストーム』。

レゴブロックでロボットを組み立て、PC上でプログラミングする。

高価なプログラミング教室、2〜3千円でお家でも出来る!?

――教室で習う場合、1回あたり平均が5000円前後、月4回で2万円だそうです。おけいこ事の相場としては高いと感じますが。

松林氏:これにはビジネス的な側面もからんでいます。

純粋なNPOでしたら安価で、できるだけ多くの子どもたちに体験させたいというのはありますが、実際の教室ではノートPCなどの機材をそろえるため、どうしてもお金がかかってしまいます。

たとえば、ロボットでもっともメジャーなレゴの『マインドストーム』は最低でも6万円、クリスマスプレゼントに買うにも躊躇する値段ですよね(笑)。

そのため、電気工学や情報系に覚えのあるご両親であれば、2~3000円で購入できる格安のPCボード『Arduino』や『Raspberry Pi』などを使って、自分たちで勉強してみたり、家にある動くおもちゃに組み込んでみたりするのも良いかもしれません。

技術の進歩で、マインドストームと同じように遊びながら学べるおもちゃが、これからはもっと安く、種類もさまざまなものが出てくると思います。

『Kickstarter』などを見ていると、子供向けの教育用おもちゃのアイデアが次々と出ていて、「これはおもしろそう」と思うものは、どんどん実現されています。

『Rasberry Pi』。3000円台から購入できる小型のPCボード。

――今後は学校の授業でも、プログラミングが導入されていくのでしょうか。

松林氏:学校によってはありますが、実証実験的な形で実施しているところが多いですね。『Raspberry Pi』を使って算数や物理の授業に活用したり、中学校での電子工作とからめた
りといった事例があります。

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