三島弥彦役の生田斗真(左)と金栗四三役の中村勘九郎

 NHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」第10回「真夏の夜の夢」、第11回「百年の孤独」のマスコミ向け試写会が4日、東京都内で行われ、主人公の金栗四三を演じる中村勘九郎と演出を担当した西村武五郎ディレクターが会見に応じた。

 第10回と第11回は、10日から4週にわたって放送されるストックホルム編の前半部に当たる。日本人初のオリンピック選手として開催地ストックホルムに到着した金栗四三と三島弥彦(生田斗真)が、異国の地で苦しみながらも絆を深めていく姿と、開幕したオリンピックに三島が出場する様子が描かれる。

 西村ディレクターが「力を込めて作り上げてきた物語前半のクライマックス」と語るストックホルム編は昨夏、3週間に及ぶ現地ロケで撮影が行われた。その撮影について勘九郎は開口一番「オリンピックに初めて出場した金栗、三島という役を『とにかく一生懸命、命懸けでやろう』と、斗真と話し合った」と振り返った。

 四三と三島が苦しみながらもグッと距離を近づけていく第10回について、勘九郎は「三島さんがより近く感じた瞬間でした」とコメント。ただ、ストックホルムでの時間があまりに濃密過ぎたため、帰国後の撮影では「三島さんと恋人のような感じに映ってしまい、『それは違う』と指摘されました」と苦笑い。

 西村ディレクターも「男2人で海外に行く彼らを追体験していくと、何となくそうならざるを得ない感じだった」と語る2人の距離感は見ものだ。

 続く第11回では、いよいよオリンピックが開幕。三島が短距離走に出場する様子が描かれる。そのクライマックスとなる400メートル走の場面について勘九郎は「生田斗真は実際に400メートルを走り、その後、倒れ込んで芝居をして、せりふを言うところまで全部一連で撮った」と舞台裏を明かした。

 「鬼のような撮影」と述懐しつつも、その熱演に「本当に感動した。この後のマラソンをちゃんとやらなければいけないという気になった」と、大いに刺激を受けた様子だった。

 笑いと涙に彩られたストックホルム編。四三がマラソンに出場する第12回以降について勘九郎は「第12回、第13回とストックホルム編が続きますが、とんでもないものが出来上がっているので、ぜひ楽しみにしてください」とアピールした。