40代でも意外と多い、“残された男たち”

参考にしたのは、武蔵大学社会学部助教の田中俊之氏の著書『<40男>はなぜ嫌われるか』。同書では、40代男性の内側を詳しく紹介しています(2015年時点で30代後半から40代前半までの男性を、本書では「40男」と呼んでいます)。

まずは、結婚観について。同書によると、25歳~29歳までの男性の未婚率は69.2%とのこと(2010年の調査)。同様に30歳~34歳で46%、35歳~39歳で34.8%、40歳~44歳で28%となります。40代に入ってもいわゆる“残された男たち”は30%ほどいるのです。

そんな彼らには、「もしかして結婚しない人生を送るのだろうか……」とマイノリティとなった自身の立場に焦燥感を隠せなくなると、田中氏は言います。余裕のある世代ではあるのですが、一方では、早く結婚したいという願望もあるのですね。

もう少し40男の価値観や時代背景を見てみましょう。

40男の小学生時代にはランドセルは黒と赤の2種類しかなく、出席簿は男子が先で女子が後となっていました。ランドセルにバリエーションはなく、出席簿も男女混合ではありません。基本的に男女がふたつにわかれて育ちました。

両親ら大人を見てみると、男性は仕事をするもので、女性は家庭を支えるものという思考が“当たり前”でした。いまの時代の流れに合わせてイクメンになってくれる可能性もありますが、上記が幼少期の常識だったのです。