難しい問題に直面し続けてきた世代

40男が成人したいまから20年前の1995年といえば、音楽でいうとMr.Childrenやスピッツ、THE YELLOW MONKEY、LArc-en-Cielなどが人気を博していました。今でも活躍するアーティストもいるので、それほど昔に感じないかもしれませんね。

その頃に就職した世代は、ロストジェネレーション世代とも言われています(1972年~1982年生まれが該当)。求人倍率が低下した時期に就職した割を食った世代です。

世の中は景気の悪いニュースがあふれ、デフレ不況も深刻化。マクドナルドのハンバーガーは59円にまで値下がりしたことも。民主党政権の誕生を目の当たりにし、アメリカ同時多発テロ、東日本大震災など、私たちの生き方の根幹を見直さなければと考えさせる事件や災害が発生しました。

どの世代も様々な出来事に影響を受けるものですが、特にこの世代は難しい出来事が多かったのかもしれません。成人して20年、経験値という意味では余裕があるように見えますが、その反面でなかなか難しい問題に直面し続けてきたのです。

「昭和らしさ」と「平成らしさ」の狭間で

田中氏もまたこの世代について、

「男は家庭を顧みず仕事だけをしていればいいという『昭和らしさ』と、ワークとライフのバランスに気を使い、家事や育児も頑張ろうとする『平成的男らしさ』の狭間に生きている、『働いてさえいればいい』と開き直ることは難しいけれど、若い世代のようにさらりと家事・育児をこなせるわけではない」

と分析します。

なるほど、表向きの姿からはなかなか想像できない、40男の苦労が浮かび上がってきました。特に男性と女性の“役割”については、時代に合わせて自らの価値観を変化させてきた世代でもあるのです。

もし、あなたがこの世代の男性と付き合うことがあったら、思い切り甘えながらも、彼らの迷いや苦しみをくみ取ってあげることができれば、より良い人間同士の関係になることができるのではないでしょうか。ぜひ、参考にしてみてください。

【書籍情報】『<40男>はなぜ嫌われるか』田中俊之著 イースト・プレス

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます