りぼん60周年記念公演 舞台『こどものおもちゃ』公開ゲネプロより りぼん60周年記念公演 舞台『こどものおもちゃ』公開ゲネプロより

「紗南ちゃんが『私も客席で観た~い!』と言って、行方不明です。もしも客席で紗南ちゃんを見かけたら教えてくださーい!」悲痛(?)な叫びが響いたのは、開演5分前。「携帯電話の電源をお切りください」「リス(!)などの持ち込みはご遠慮ください」といった諸注意のアナウンスとともに紗南ちゃんを探すのは、ヒモ兼マネージャーの玲くん(山本一慶)だ。そんな風に客席までも巻き込んで幕を明けたのは、りぼん60周年記念公演の舞台『こどものおもちゃ』である。

舞台『こどものおもちゃ』チケット情報

出演は、ばびっと組(小椋梨央、相澤侑我、吉村美音 有馬ひより、髙橋実生、吉原ゆめか)と、まろちゃん組(奥田こころ、板垣李光人、磨井彩月、風間莉里、河合若菜、未来)のWキャスト。この日は、まろちゃん組が登場。舞台は小学生タレントの紗南が正義の味方を演じるバラエティ番組『ピコピコハンマーの介』収録現場から始まる。

共演するのは宇宙人アイドルとして人気を博すCHaCK-UPの5人。担当色のカラーセイバーを構えて紗南に斬りかかる……が、あえなく撃沈。そこへ玲が迎えにやってきて次の仕事へ。そして最後に向かった学校は大荒れに荒れていた!

「ちちくりマンボ」を華麗に披露、なにかと「こまわりステップ」を踏んでしまう紗南ちゃんは原作マンガそのまま。衝撃の羽山秋人の下半身まる見えな「スッポン写真」激写シーンも登場!(この瞬間の照明が絶妙だ)しかし、羽山はどこまでもクール。紗南に繰り返し勇気を出して告白しては無視され続ける剛(伊藤壮吾)はコミカルで、彼らを取り巻く同級生たちも元気でにぎやか。玲は愉快に黒子を務め、CHaCK-UPも登場しては歌って踊って去っていく。そんな若き役者たちを相手に企業戦士の羽山父(本郷弦)たちベテラン勢も大奮闘。なかでも紗南の母親で頭にりすのまろちゃんを飼う、実紗子(三石琴乃)は圧巻!の一言。

物語は、孤独を抱え荒れていた羽山と家族との和解から一転、紗南の出生の秘密が明かされる騒動へ──けれど、彼女はいつだって明るく笑い、高らかに叫ぶ。「私を産んでくれてありがとう!」

そして、最後は社会科見学で出かけた都庁展望台での、ふたりの、あのシーンへ……。笑って泣けて元気がでる、舞台『こどものおもちゃ』は東京・博品館劇場にて8月30日(日)まで上演。チケットは発売中。

ライター:おーちようこ