レンズスタイルカメラをドローンに搭載、「何かとつながることありき」の製品伸びる予兆

2015.8.26 19:5配信
マルチコプター型のドローン試作機「AS-MC01P」

ソニーモバイルコミュニケーションズとZMPは8月3日、小型の自律型無人航空機(UAV)とクラウドサービスを組み合わせ産業用ソリューションを提供する「エアロセンス」を共同で設立した。手始めにマルチコプタータイプのドローンを使って建築現場や採石場、田畑などの管理を行うソリューションビジネスからスタートする。上空から撮影した画像を3D処理することにより、リアルタイムに工事現場の進捗管理や採石場の採石状況の把握などができる。

「2020年には年商100億を超える企業にしたい」と語る谷口恒代表取締役は「建築業界からの引き合いが多く手ごたえを感じている」と話す。取締役に名を連ねるのは、ソニーで犬のペットロボット「AIBO」の開発に携わった佐部浩太郎氏。もう一度ロボットをやりたいとの思いからドローンビジネスに取り組むことにした。試作機「AS-MC01P」は、GPSが使えない場所でもカメラの映像をたよりに、あらかじめ設定したエリアを自律的に飛行する。オペレーターは飛行中ただ見守るだけで、何もする必要はない。

この「AS-MC01P」に搭載したカメラは、ソニーのレンズスタイルカメラ「DSC-QX30」。普通なら「GoPro」を検討するところだろうが、ソニー出身の佐部氏ならではの着想だ。TransferJetを搭載し画像を高速転送できるうえ、非常に高画質であることが採用の理由だという。

レンズだけで液晶画面を持たない一風変わったレンズスタイルカメラは、2013年秋に発売され一時話題にはなったものの、実際のところ売れ行きは芳しくない。7月時点での販売台数は、ソニーの「アクションカム」、「GoPro」、パナソニックの「ウェアラブルカメラ」のそれぞれ10分の1以下の売り上げだ。デジカメの中で見てもシェアは微々たるもの。発売当初、大前健一氏が週刊ポストで「ユーザー不在でコンセプトがよくわからない」と酷評したが、いまのところ、指摘は当たっているように見える。

まだまだ市場が立ち上がったとは言い難いレンズスタイルカメラだが、オリンパスもこの3月、同様の製品「OLYMPUS AIR A01」で参入した。コンセプトはソニーより明快。オープンプラットフォームカメラ(OPC)と銘打ち、OPC Hack & Make Projecを立ち上げ、AndroidとiOSのアプリケーションが開発できる開発キット(SDK)を提供したり、OPCの接合部分や外形の3Dデータも提供したりしている。コラボレーションを前提としたカメラだ。モノのインターネット(IoT)が進展するにしたがって「何かとつながることありき」の製品は、これからまだまだ増えてくる。具体例も徐々に見え始めている。伸び悩むデジタル家電市場を活性化する一つの方向はここにある。チャレンジを続けてほしい。

(BCN・道越一郎)

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