『黄金のアデーレ 名画の帰還』

『クィーン』や『マダム・マロリーと魔法のスパイス』『RED』シリーズで知られるオスカー女優ヘレン・ミレンが主演を務める感動作『黄金のアデーレ 名画の帰還』が11月に日本公開されることが決定した。グスタフ・クリムトの名画を取り戻すためにオーストリア政府を相手に返還訴訟を起こした女性の数奇なドラマを実話を基に描いた作品だ。

その他の情報

本作のタイトルになっている『黄金のアデーレ』は、正式には『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I』というタイトルで、クリムトが20世紀初頭に描いた豪華で美しい作品だ。そこにはひとりの美しい女性が描かれており、映画の主人公マリアの叔母がこの女性にあたる。

この絵画は“オーストリアのモナリザ”と呼ばれるほどの傑作で、マリアの家に飾られていたが、ナチスが絵画を没収。やがて激動の歴史の中でマリアは国を離れ、オーストリアの美術館にあの絵画が展示されていることを知る。そこでマリアは若い弁護士のランディの助けを借りて、オーストリア政府に絵画の返還を要求。現在では“国の宝”になっている絵画を政府が簡単に返すわけがなく、マリアたちはオーストリアへと向かう。

と同時に彼女はこの騒動をきっかけに自身の人生のこれまでを振り返る。楽しかった幼少期、絵のモデルになった美しい叔母との思い出、両親との記憶。そしてナチスの侵攻によって訪れた人生の大きな変化。アメリカとオーストリアを行き来しながら彼女はこれまでの人生で失ったものを改めて確認し、クリムトの名画以上に“取り戻したいもの”に気づいていく。

主人公を演じるのは名女優のヘレン・ミレン。毒舌でガンコでバイタリティあふれるマリアを軽快に演じる一方、数奇な人生を振り返り、喪失や哀しみを繊細な演技で見事に表現する。また、彼女とタッグを組む弁護士をライアン・レイノルズが演じている。

『黄金のアデーレ 名画の帰還』
11月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

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