今年、番組スタートから20周年を迎える日本テレビ系の人気バラエティー「ザ!鉄腕!DASH!!」。畑や海岸を切り開いたり、無人島を丸ごと開拓したり、物作りに一から挑戦したりと、TOKIOが体を張ってありとあらゆる企画に挑むこの番組の裏話を、陰で支えるスタッフの方々に聞きました。今回は、見ているだけで思わず食べたくなる、「世界一うまいラーメン作れるか」の裏話です。

 

File4 ディレクター 松田敦さん 
(番組スタッフ歴13年。「世界一うまいラーメン作れるか」では主な構成を担当。ほか「DASH島 無人島を開拓できるか!?」企画でのスズメバチ&ハブの駆除企画などにも携わる)

 

―この「世界一うまいラーメン作れるか」企画は、ほかのコーナーとは全く違う撮影の方法を取られていますね。これはどういう意図があったのですか。

 まずはほかの企画との色の違いを見せたいなというのが一つと、もう一つは“ハードボイルド”がテーマのコーナーにしたいな、というのがありました。それで、メンバーが食べる様子がよりリアルに映し出せる一眼レフカメラを使って撮ってみようということになりまして。さらに普通の番組だとラーメンを味わってもらってすぐに感想が出てきたりすると思うんですけど、ここではあえて視聴者の方にも一緒に感じてもらいたいということで、TOKIOにはひたすらズズズッと麺をすすってもらう形になったんです。

―城島さんも、この企画を見るとみんなが「ラーメンが食べたくなる」と。

 確かにそういうご意見をいただけますね。そう思ってもらえるだけで良かったです(笑)。

―この企画のここを見せたい、というのはどういうところですか。

 “世界一のラーメン”と言うと、皆さん一人ずつに違う味があるとは思うんですが、その中でも「ザ!鉄腕!DASH!!」で丸20年、いろいろなところに行っていろんなものを食べてきたTOKIOが最終的にどういうラーメンを選ぶのか…というところを見てもらえたらなと思っています。僕らスタッフも現場でメンバーと同じものを食べていますが、「うまい!何かが違う!」というところまでは分かっても「じゃあそこがどういう違いなのか?」というと、なかなか表現できない。でもTOKIOの皆さんは「すごい深みがある」「酸味が効いているからこの甘みが引き立っているんだ」などと細かい部分まできちんと分かるんですよ。それはやっぱり番組を20年やってきたからなんだろうし、あとはメンバーみんなが単純にラーメン大好き、という部分もあるんだと思います。

―メンバー一人ずつの味の感じ方の特徴はありますか。

 (国分)太一さんと長瀬さんのお二人は、まず「うまい!」が先に来てから細やかな味を分析します。リーダーと松岡さんは、逆にまず口に含んでしっかりと味わってから言葉が出てくる。(山口)達也さんは4人の中間。まぁ全て僕の主観ではありますけど(笑)、5人とも表現方法が違うので撮っていて楽しいです。

―城島さんは麺作りにも励まれていますが、松田さんから見て上達のほどはいかがですか。

 実は「陰で練習しているんじゃないかな?」って思うことがあります(笑)。オンエアでも流れましたけど、最初のころは本当にリズムをうまく取ることができなかったんですよ。その後何度か練習をしてもらっているんですけど、回を重ねるごとに驚くほど上達しているんです。プロのラーメン屋さんにお聞きすると普通は麺打ちをマスターするのに3年から5年はかかるそうなんですが、この間、その方に今のリーダーの麺打ちのVTRをお見せすると「うまいですね…これリーダー、毎日練習しているんじゃないですか!?」って。それを聞いて僕も「すげえなリーダー!」って思いました。

―ズバリ、ラーメン完成の目安は!?

 完成…するんですかね?(笑)。まずはTOKIOのメンバー全員が「うまい!」と宣言できる味を決めていけたらいいなと思います。そこからまた先を考えていきたいですね。

―松田さんがこれまで番組の中で体験された中で、一番忘れられない出来事とは?

 忘れられないというか、忘れてもらえない出来事が一つ…。過去に長瀬くんがマグロ釣りに挑む「つれたか丸」企画を担当していたんですけど、かなり波が荒い日に僕が酔ってしまいまして。長瀬くんが平然としている中で、僕だけが船の上で吐きながら「じゃあこうしましょうか」って打ち合わせをするという…。あの日のことはいまだに長瀬くんに言われますね。「すごいよね、吐いても指示を出していたもんね」って(笑)。

―それは確かに忘れたい記憶かもしれないですね(笑)。

 あと、リーダーと達也さんが毎回ハブやスズメバチに向かっていく姿が本当にすごいなと思います。あれ、防護服を着ていても脚がガクガクと震えるほどに怖いんですよ。それでもあの2人はどんどん近づいていって、普通に「こっち切ろうか、じゃあこうしよう」ということを話し合っていて。特にリーダーのプロ根性は相当です。本当はああいうヘビやハチ系が全く駄目な人なんですよ。プライベートでは絶対近くに行かないタイプなんですけど、ロケになるとスイッチが入るのか、怖がりながらもガンガン突っ込んでいって。そのプロ意識は本当にすごいと思います。

 ちなみに僕はリーダーと一緒のロケになる機会が多いんですけど、なぜかこのコンビで山などに行くと何かしらのハプニングが起こる可能性が高いんです。DASH島で遭難しかかったり、そんな急な崖ではなかったはずなのに、2人一緒にガーッと滑り落ちてしまったり(共にしっかりオンエア済み)。2人とも決してハプニングを起こそうというつもりはないんですけど、どうしてですかね?(笑)。

 

 雑誌「月刊TVfan」ではTOKIOメンバーが出演番組のエピソードを語る「TOKIOのお仕事」を連載中。8月24日から全国順次発売の10月号では「出張DASH村」の模様などを城島さん、国分さん、松岡さんが語っています。