(画像左から)鈴木勝吾、飯島寛騎 撮影:川野結李歌

人気小説『ちょっと今から仕事やめてくる』が2019年6月、深作健太の演出、田村孝裕(劇団oneror8)の脚本で、初めて舞台化される。W主演をする飯島寛騎と鈴木勝吾に話を聞いた。

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原作は、北川恵海による同名小説。70万部を超えるベストセラーとなり、第21回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞している。2017年には福士蒼汰と工藤阿須加のW主演で映画化もされた。

ブラック企業で働く若手社員の青山隆(飯島寛騎)が疲労のあまりホームで意識を失い、危うく電車に跳ねられそうになってしまう。青山を救ったのは、幼馴染のヤマモト(鈴木勝吾)と名乗る男。青山の記憶にはヤマモトに関する記憶がなかったが、関西弁で爽やかな笑顔を見せる彼と出会ってから、青山は本来の明るさを取り戻し、大きな成果をあげるチャンスも巡ってくる。ある日、青山がヤマモトについて調べると、彼は3年前に激務で鬱になり自殺した男だということが分かり…というあらすじだ。

作品について、飯島は「見る人によって違う印象を受けると思うし、色々な目線で見られる作品。見てもらうみなさんにも悩みがあると思うが、立ち向かっていく勇気を与えられるような作品になれば嬉しい」と語る。鈴木は「どちらが正義で、どちらが悪いと言い切ってしまうのではなく、このままではどちらもダメだということも等しく描いている。辛い環境にあっても、結局は自分の足で立たなくてはダメだと。そのバランスがすごく好き」と話した。

今回初共演のふたり。稽古前ではあるが、互いの印象を尋ねると、飯島は「鈴木さんはとても考えがしっかりしている。お芝居に対しても、作品に対しても、自分自身に対しても、それぞれ軸を持っているので、勉強になることが多い」と語り、一方の鈴木は「8つ年が離れているが、すごく刺激的で、同じ作品を作る仲間として頼もしい」と語った。

最後に、飯島は「映画化等もされていますが、舞台ならではの熱量でしっかり届けていきたいですし、会場で一体になれるようやっていきたい」と話した。鈴木は「演劇は、物語や事件の肌触りを感じることができるエンタメ。あえて演劇で届ける意味を噛み締めながら、責任を持ってやっていきたい。ぜひ何度でも劇場に足を運んでみていただけたら」とPRをした。

公演は6月13日(木)から23日(日)まで、CBGKシブゲキ!!にて。飯島と鈴木のほか、中島早貴、葉山昴、田中健が出演する。

文・五月女菜穂