一方、女性の場合は、「努力する意思や几帳面さに欠け、計画的に物事を進めることができない、誠実性が低い人ほど不倫をする可能性が高い」とされています。あくまで通俗心理であるので、このことに関して、著者の坂爪真吾さんは、「男性の不倫は創造性の発揮によって生じ、女性の不倫は誠実性の欠如によって生じる」というのは、いかにも差別的だと語ります。

確かに少し偏った見方かもしれません。どちらかというと、坂爪さんが解説する「男性は性欲ありきで不倫を行い、女性は関係性ありきで不倫をする」の方が腹落ちしやすいかもしれませんね。女性は男性のように「性欲ありき」で動きにくいもの。ただ、相手との関係性に魅力を感じてしまうと、ズブズブと不倫関係に入ってしまう人もいるのでは。

ただ、女性の不倫については、結婚前の性的経験の数が少なからず影響しているのかもしれません。というのも、結婚前に性的経験が多い人ほど、結婚後に不倫をしやすくなるというデータがいくつかあるのです。

結婚前に性体験がなかった女性と比較して、13人の性的経験があった女性では4倍、そして、4人以上の性的経験があった女性では、8.5倍もの浮気をする危険性をはらんでいることがわかりました(1996年:アメリカで2039歳を調査)。

また、2007年に既婚女性を対象に行われた大規模調査では(アメリカ)、同棲経験のある人は、同棲経験のない人に比べて浮気の危険性が5倍高まるということが報告されています。同棲経験があり性的経験の多い人ほど、不倫につながりやすいのです。その他にも、過去に離婚経験のある人や初婚年齢が低い人ほど、その確率が高くなるとも。

「男女同権の風潮の高まりと結婚に対する価値観の多様化の中で、不倫を絶対悪とみなす風潮は少しずつだが、緩まっている」とは、坂爪さんの言葉。確かに、TVドラマの題材になったり、週刊誌ではこれらのネタは事欠きません。

ただし、やはり不倫に対するリスクがあることを最後に確認しておきましょう。不倫発覚後の訴訟では慰謝料を払う必要があります。同書では、「加害者の過失の有無、交際期間や肉体関係の回数、支払い能力や財産状態、職業や社会的地位、被害者の精神的・肉体的苦痛の程度、夫婦関係の破綻の度合い、被害者の過失の有無」によって金額の相場は異なると説明されていますが、そのまま離婚した場合は、慰謝料と財産分与の合計で300400万円が必要となります。また、不倫相手も100200万円程度の慰謝料の支払う義務が発生するでしょう。

金銭的なリスクもありますが、何よりも安定した夫婦や家庭での生活を壊す不倫。ケータイ一つで不倫サイトに登録できる時代ではありますが、簡単にこの選択肢を選らんでは、あなたの人生が崩壊しかねません。ぜひ、熟考した上で行動しましょう。

【参考書籍】
『はじめての不倫学「社会問題」として考える』坂爪真吾著 光文社