三重県、岐阜県の全域で「配達料無料でご注文当日お届け」を開始したヨドバシ・ドット・コム

三重県、岐阜県、北陸地方が「翌日」の配達となっていたヨドバシカメラのインターネット通販「ヨドバシ・ドット・コム」は8月31日、三重県と岐阜県の全域で注文した当日に配達するサービスを開始した。

●ヨドバシ初の中部出店の戦いを有利に

リアル店舗では、11月1日に名古屋市の繁華街・栄の大丸松坂屋百貨店内に国内最大級の売場面積8万6758平方メートルを誇る巨大店舗の出店を予定しており、リアル店舗とインターネット通販のサービスを充実させることで、初出店となる中部地区での戦いを有利に進めることを狙う。

「BCNランキング」にも既報(http://bcnranking.jp/news/1506/150610_30792.html)したが、インターネットサービスの方がリアル店舗の出店よりも早くスタートする形となり、オープンに向けた盤石の態勢が整いつつある。

ヨドバシ・ドット・コムでは、2012年5月から愛知県名古屋市、15年6月から愛知県全域で配送料金無料の「当日注文お届けサービス」を実施していたが、三重県と岐阜県、北陸地方における「当日」の穴が埋められていなかった。

今回、一気に三重県と岐阜県の全域に拡張したことで、当日お届けの全国人口カバー率は75.04%に、翌日に限ってみれば同98.55%とほぼ全国をカバーする。

●アマゾンとの戦いも視野に

ヨドバシ・ドット・コムでは、家電製品以外の取り扱いアイテム数を急ピッチで増やしている。その数は約370万アイテム。そのうち、約7万2000アイテムが配達無料で当日お届けの対象となっている。

インターネット通販大手のアマゾンは、年会費3900円(税込)を払って「プライム会員」になれば通常360円や514円の配達料がかかる「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」が無料になる会員向けサービスを展開中だ。9月からは追加料金なしで映画やテレビ番組の動画が見放題になるなど、以前から開始しているKindle本が毎月1冊無料で楽しめるサービスも合わせて「身を削る」戦略に出ている。 必要なときに必要なものを無料で当日届けてくれる「ヨドバシ・ドット・コム」とは異なる戦略だが、同じインターネット通販のサービスでも、今後はユーザーによって評価や使い方が分かれてくる。アマゾンとヨドバシとの戦いからも目が離せない。(BCNランキング 細田 立圭志)